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エコ文明の先駆者 浙江省湖州市が実現した、豊かさと環境の両立

2018-04-20 20:10:51     cri    

 習近平総書記が掲げた「緑水青山就是金山銀山」(澄んだ水と青い山こそが金山であり銀山である)という成長理念が現在、中国の人々の心に深く浸透しています。実はこの理念は、中国東部・浙江省の太湖の畔にある町「湖州」に由来しています。2300年の歴史を持つ湖州は、10数年前からこの理念を実践してきたことで、豊かな生活と美しい環境の両立を実現しただけでなく、国情に立脚し、東洋人の文化的訴求を体現したエコ文明建設の新しい経験も獲得しています。

 湖州市の安吉県は「竹の里」として知られる土地で、2000年のアン・リー(李安)監督の映画「グリーン・デスティニー」のロケ地としても有名です。その一方で、湖州は長江デルタ地帯の石灰岩の主な産出地でもあります。かつて、この美しい竹林は、鉱山の採掘によってひどく汚染されていました。

 環境を改善するため、安吉県余村は年間売上高が300万元にもなっていた石灰鉱山の閉鎖を決断しました。これにより水質が改善し、山はより美しくなって、観光業がこの地域の新たな収入源となっていきました。

 余村に住む胡加興さんは以前、鉱山で運転士として働いていましたが、2008年からは「農家楽」(アグリツーリズム。都市部の住民が休日に農家で余暇を楽しむレクリエーション)のビジネスを始めました。「運転士をしていた時の年収は10万元ほどだったが、今は農家楽とラフティングのビジネスによって年収が200万元を超えている。きれいな川や山がなければラフティングはできないので、私はそこ(環境改善)から確実に大きな利益を享受している」と話します。

 2005年当時、浙江省委員会書記を務めていた習近平氏が余村を視察した際に、鉱山を閉鎖しグリーン成長の道を歩むという村の選択を評価し、そこで初めて「緑水青山就是金山銀山」という成長理念を掲げました。その後、この理念が湖州の人々に浸透したことで、同地の成長・成果を判断する指標は、経済利益だけではなくなりました。

 そして今、この理念は全国民が認識するまでになり、経済成長と生態系保護の関係について取り組む上での重要な指針となっています。(ZHL、謙)

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