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チベットに希望と未来の種をまいた鍾揚氏

2018-03-27 14:48:58     cri    

 30年以上にわたり教鞭をとり続けた複旦大学の鍾揚教授。チベットの支援事業に16年間携わり、1000種類以上の植物の種4000万粒を採取しました。しかし、去年の9月25日朝、出張先の内蒙古自治区のオルドス市で交通事故に遭い、亡くなりました。「わずか53年間の人生で、普通の人が100歳まで生きてもやりきれないことをやった」との評価の声が多数寄せられています。

 チベット高原には1000種類以上の独自の植物が植えられ、中国最大の遺伝子の宝庫とも呼ばれています。しかし、寒冷地で自然環境が良くないので、足を踏み入れる学者はほとんどいません。植物の専門家である鍾教授は2001年、自らこの地にやって来ました。

 それから16年間、鍾教授のグループは、北部の高原地帯から南部の谷へ、ガリの無人地帯からヤルツァンボ江まで、50万キロを歩きました。採取した種の種類はチベットにある各種の高級植物の5分の1を占め、新たな品種として世界に残されています。

 長い間、研究の道を歩んできた鍾教授は、「チベットには生物学者も必要だが、もっと必要なのは教育関係者がチベット族の生徒たちを育てていくことだ」と実感しました。

 その後、鍾教授はチベット大学の協力を得て、生態学の博士課程を開設しました。チベット族初の植物学博士を育成したほか、チベット自治区として初めてとなる生物学教育チームスタッフを編成しました。また、生態学科を中国の一流学科に昇格させています。これまで手薄だったチベット自治区の大学教育を手がけたうえ、チベット大学の生物多様性研究を世界に伝えました。(殷、森)

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