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<政協>全国政協委員楊安娣:吉林観光「寒い資源」がいま「熱い」

2018-03-19 14:17:59     cri    


取材に応じる全国政協委員、吉林省観光発展委員会主任の楊安娣氏
(撮影:国際オンライン記者 易成晨)

 国際オンラインニュース(記者 李勝蘭) :

 3月10日、吉林省における農村観光の発展、国有風景区のチケット値下げ、「赤色観光」などについて、全国政協委員の一人である吉林省観光発展委員会主任の楊安娣氏が、国際オンライン記者の取材に応じました。

 楊安娣氏は「吉林観光の発展の青写真は大きく3つに分けられる。1つ目が氷雪産業、2つ目が避暑レジャー、3つ目が総力を挙げて発展中の農村観光だ。吉林省には、宝の山(金山銀山)が2つある。それは、2年間の継続的な努力を通して、共同発展してきた『冬季の氷雪産業』と『夏季の避暑レジャー観光』だ」と語りました。

 吉林省が持つ「寒さ」や「涼しさ」という資源が今、「熱く」なっています。

 吉林省農村観光に提供した5つの「処方」

 吉林省の農村観光の発展について、楊安娣氏は次の通り述べました。

 「近年、吉林省の農村観光は急速に発展しており、2016年と2017年は、ほぼ30%~40%の速い発展速度を維持している。しかし、浙江省や四川省など、農村観光が順調に発展した省に比べると、吉林省の農村観光発展はまだ初歩的な段階であり、格差は大きい。吉林省の農村観光の特徴は、全体的に大雑把で、ばらばらで、それでいて選択肢が少ないというものであった」

 楊氏はさらに、農村観光の発展というのは、すなわち実際の問題を解決することであり、最も難しい問題を解決するところからスタートするべきものであると示した上で、その具体的な「処方」の内容を5つに分けて紹介しました。

 1. 状況の明確化

 2017年から初の全省的な調査が展開されており、吉林省農村観光発展報告書が作成された。これにより、現在の状況がはっきりと分かるようになった。

 2. 発展構想の明確化

 2017年に開かれた吉林観光史上初の全省農村観光活動会議によって、発展構想が明確になった。また、農村観光に関わる経営業者と旅館の評定によって、初の規範と基準が導入された。これにより、零細的で無秩序、かつ統一性に欠けていた吉林農村観光の発展が、体系的で規範的な、統括計画となった。

 3.業態の革新、同質化競争の回避、差別化と優位性の形成

 農村資源の優位性、地域的特徴、産業の特色などに応じて、資源依存型、地域依存型、産業依存型、市場依存型など様々な発展方式を形成した。

 4.観光スポットの構築

 この2年間で、吉林神農庄園、舒蘭二合雪郷、延辺ジンダル朝鮮族民族村などの農村観光スポットが登場している。

 5.「貧困扶助、生活裕福」に向けた展開

 貧困扶助と豊かな暮らしづくりのための新しい道の一つとしての、農村観光産業の徹底的な展開。

 吉林観光の発展の青写真は、氷雪産業、避暑レジャー、そして農村観光だということです。楊氏は、「この青写真に照らし合わせ、農村観光の発展を通して、農村を(観光地、投資先、生活拠点として優れた)人間浄土、投資熱土、生活楽土にしていく」との展望を語っています。

 入場料引き下げの波 吉林省でも実施中

 李克強首相は、2018年の両会議(全国人民代表大会および全国政治協商会議)で発表した政府活動報告の中で「中国全域に観光モデル地区を確立し、重点国有風景区の入場料金を引き下げる」と述べています。

 これについて、楊安娣氏は次のように話しました。

 「吉林省でも国有風景区の料金引き下げを試行している。例えば、去年、浙江省で氷雪交流宣伝イベントを実施したが、その際に『氷雪令』を制定した。これは、2017年11月1日~2018年4月30日までの期間、長江デルタ地区(上海市、浙江省、江蘇省)からの観光客であれば、身分証などの証明書類を提示することで、吉林省内の全ての4A級以上の風景区の入場料が半額になるというものだ」

 「氷雪令」の第一の政策である景勝地の入場料金引き下げはその後、対象を香港、マカオ、台湾、広東、湖北にも拡大し、高い効果を上げているといいます。例えば、2016年の吉林省全域の観光市場では、浙江省からの観光客のシェアは1.8%でしたが、2017年には3.5%と、ほぼ倍増しています。

 楊氏は、「観光業の発展で重視されるべきなのは、お天道様と祖先、そして大衆である。お天道様は資源で、祖先は継承された文化、そして大衆は吉林観光産業の発展のスタートとゴールそのものだ」と話します。そして、吉林省の観光発展の現状を見ると、これら「お天道様」と「祖先」から継承した最も高品質な観光資源が、主に国有風景区に集中しているのだといいます。

 吉林省では、5A級風景区が全て国有で、4A級風景区の67%が国有です。今回の国有風景区の入場料金引き下げには、どんな意義があるのでしょうか。

 入場料金の引き下げにより、大衆は、より低価格、より良い方式で、高品質な観光資源をシェアできます。これは人民の幸福感、満足度を向上させるものであり、国民生活に良い影響を与えるでしょう。また、国有風景区自体は、入場料経済への依存を脱することで、観光スポットをより良く経営し、サービスを改善し、産業チェーンを伸ばすようになります。国有風景区が閉鎖的な体制を打ち破り、開放に向かわなければ、全域観光は実現できません。

 楊氏は、「李首相が政府活動報告の中で言及したこの問題を踏まえて、我々は、誰のために産業を発展させているのかということを、常に心に留めるべきである」と述べました。

 吉林の赤色観光ツアーが東北抗日聯軍精神を全国に普及させる

 赤色観光(紅色旅遊)とは、中国共産党の革命の聖地を目的地とした旅行のことです。この赤色観光について、楊安娣氏は次の通り述べました。

 「吉林の赤色観光が市場に登場したのは近年のことだ。『全省赤色観光発展連盟』の設立、63の大学が参加する『赤色観光・大学生の夢ツアー』のスタート、東北抗日聯軍の精神の発掘、通化—白山の赤色観光線路の開通や、赤色研究学習ツアーなどをきっかけに、吉林が持つ赤色資源と観光市場の繋がりを実現した」

 楊氏はまた、赤色観光は市場のボトルネックを打破するものであるとも語ります。「赤色観光」に関する具体的な展望については、以下のように示しています。

 1.全省赤色観光活動協調チーム全体会議の開催により、地域と行政の障壁を取り払い、赤色観光の迅速な発展を促進する。

 2.「赤色」の要素を深く発掘し、東北抗日聯軍、解放戦争および抗米援朝の精神を発揚し、赤色観光スポットを育て、省級赤色路線を確立する。

 3.教育省と全国赤色観光活動協調チーム事務室の支援を受け、持続的に「赤色観光•大学生の夢ツアー」活動を展開する。

 4.「吉林・北京協力による吉林赤色観光 大学生1000人ツアー」を推進し、東北抗日聯軍の精神を全国に普及させる。

 吉林観光の「寒い資源」がいま、「熱い」!

 吉林省の観光資源と発展速度、今後の発展の余地について、楊安娣氏に尋ねました。

 Q1.吉林省の観光資源の質はどうですか

 A1.とても良い。吉林省の観光資源は構造性、差別化に優れており、氷雪資源や温泉湿地にも恵まれ、辺境地域には優位性があり、深い歴史文化もある。吉林は豊富な観光資源を持つ『観光大省』と言える。しだれ柳、雨と雪、山花爛漫、色鮮やかな林…。吉林の観光にはカラーがある。氷雪観光の「白」、生態観光の「緑」、革命観光の「赤」、そして農村観光の「金」である。さらに言えば、吉林省には2つの宝の山(金山銀山)がある。それは、『冬季の氷雪産業』と『夏季の避暑レジャー観光』だ。このように、吉林省の観光発展には良い基礎が存在している。

 Q2.吉林省の観光発展のスピードはどうですか

 A2.発展が速い。吉林の氷雪に温度が、山水に重厚さが、文化に深さがあるように、発展には速度がある。吉林観光の総収入はここ数年連続で20%以上の成長率になっている。特に、2年間の継続的な努力を通して、『冬季の氷雪産業』と『夏季の避暑レジャー観光』が共同発展を遂げており、「寒さ」や「涼しさ」といった資源がいま「熱く」なっている。春夏連動で、春秋を促し、一年中駆動する産業発展レイアウトを形成した。特色ある資源の優位性が特色ある産業の優位性にレベルアップした。そのため、吉林は観光発展における自信を持っている。

 Q3.吉林省の観光発展の余地はどうですか

 A3.大きな可能性がある。実際のところ、吉林省の観光産業発展はスタートで出遅れた。しかし、先駆者との格差が、巨大な発展の可能性を表している。そして、発展を支えるのは、先に述べた2つの宝の山(金山銀山)という、資源的な優位性だけではない。吉林省には2つの「3億人の市場優位性」(3億人がウィンタースポーツに参加し、3億人が潜在的に避暑を求める者を持っている)もある。この「2つの3億人」の市場における見通しは良好だ。

 そのため、吉林には美しさだけでなく、発展の速度と素晴らしさだけでもなく、潜在力までもがある。

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