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<独占取材>鳩山元首相が第19回党大会と「一帯一路」構想を語る(動画)

2017-11-30 19:56:33     cri    

 世界各国の元指導者らが出席する従都国際フォーラムが28、29日の両日、広東省で開かれました。同フォーラムに参加するため中国を訪れている日本の鳩山由紀夫元首相が30日、CRIの独占インタビューに応え、今年10月に開催された中国共産党第19回全国代表大会や「一帯一路」構想などについて語りました。

――第19回党大会に対し、どのような印象を持ちましたか?

鳩山:習近平主席の党大会での政治報告は歴史に残る演説だと評価しています。その中で私が一番強調したいのが、特に貧困問題に対する強い熱意、貧困問題を解消しようという熱意が示されたことです。日本やアメリカ、世界全体にグローバリズムの風が吹き荒れ、良いこともあるが結果として貧富の格差を広げてしまい、世界的にも一番大きな問題となっています。今日まで中国は貧困の解消に努力をされてきたわけですが、それをさらに進め、遠くない目標として実現させるという強い意志の表明は、中国の人々にとっても喜びであったと思います。

 さらに、環境問題、特に地球規模の環境問題に対する大変強い熱意に関心を持ちました。特に、トランプ米大統領が「パリ協定」脱退の意志を示している今、地球の環境を守らなければならないという強い意志を中国が表明したことは、地球全体にとっての救いだと思います。グリーン経済の発展、石炭中心の発電から新エネルギーの利用を高めようとする方向や、そのために必要となるイノベーションの促進、科学の発展や人材育成など、それぞれの面でしっかりとした目標を掲げていることに関心を持ちました。

――これから中国が世界で果たす役割について、どのように考えていますか?

鳩山:世界は色々と困難な時期を迎えています。ネオリベラリズムがもたらす弊害が多く出てきています。そういう時代だからこそ、中国が「新しい時代」において「新しい中国」として活躍するという意志を示されたことは大事だと思います。グローバリゼーションがある意味で曲がり角に来ていることは事実ですが、だからといってそれがナショナリズムや国粋主義的なものになってはいけません。その2つの間をうまく連結させる役割を果たすのが中国で、それが「一帯一路」構想の中で実現されるのだと思います。東アジア共同体(が構築されること)が私の1つの目標ですが、(中国の「一帯一路」構想は)それをさらに包含するユーラシア全体の運命共同体を作っていこうという発想です。この大変大きな構想のために、中国は新しい様々なプランを出しているのだと理解しています。

――中国の「一帯一路」構想に対しどのような考えをお持ちですか?

鳩山:非常に賛同します。5月に開催された「一帯一路」フォーラムで、習主席は大変重要なことを話されました。それは、「繁栄は2番目であって、1番目は平和だ」ということです。特に、発展途上国をインフラ整備により経済的に豊かにさせて、それによって紛争を未然に防ぎ、結果としてユーラシア大陸、ひいては世界全体を平和に導こうという、戦争のない平和な世界を築いていくという構想を世界は理解するべきだと思います。これは、単に経済発展だけが目的なのではないということです。日本は今、「一帯一路」に強い関心を示していません。しかし、これは中国が「一帯一路」構想を通じて、周辺諸国と協力的になろうという意思表示なのですから、日本もこれに協力するべきだと私は考えます。

 「一帯一路」の枠組み内での協力には、様々な方向があると思います。日本の得意分野の1つに環境が挙げられますが、地球環境が悪化していく中で、その浄化のために日中が協力をしていくことは重要です。また、日本は世界に先駆けて高齢時代を迎えていますので、時代に対応した養老施設、介護の施設やあり方、システム、ロボットやAIなどに一日の長があります。このような日本の得意な分野における協力が望まれます。

――顧問を務めておられるアジアインフラ投資銀行(AIIB)についてどうお考えですか?

鳩山:日本がまだAIIBに参加していないことが気がかりです。できるだけ早く日本がAIIBに加入できる環境を作っていきたいと思っています。「一帯一路」構想と同様、経済を発展させながら、途上国に紛争を起こさせない、「運命共同体」を作ることがAIIBの目的です。そのような壮大な目的に対し、日本政府はもっと強い関心を持つべきです。

 日本企業は、中国の人々とさらに協力し、中国での様々な仕事をしたいと考えています。日本には技術力でまだ優れている分野がたくさん残っています。一方で中国は、急速な経済成長によって資金力や投資能力を高めています。また、起業をバックアップするシステム作りを進めています。大学と産業界の協力によって、「起業家精神」を支える状況ができて、新しい時代にふさわしい匠の技が作り上げられていくと思います。

 お互いにうまく連携できた時に、両国関係は発展し、両国企業はお互いに利益を享受できる状況になります。安倍首相がAIIBに対してより強く前向きになることが、日本企業のAIIBにおける活躍の場をより大きく作ることにつながります。その意味で、政治的な立場が問われると思っています。

――民間交流の分野において、ご自身はどのような取り組みを行っていますか?

鳩山:両国の若者が交わることを重視しています。私が所属する友愛協会としては、植林活動をやっていますが、例えばこのように地球環境問題をテーマにしながら、ディスカッションしたり、一緒に木を植えたりすることを通じて認識と友情を高め、友愛精神をいかにお互いに育むことができるかが大事だと考えています。

 もう1つ、私が総理の時に、中国と韓国の首脳と相談して作り上げた「キャンパスアジア」という構想があります。これは、大学生同士が中国、韓国、日本の国境を感じることなく勉強できるようなシステムを作るというものです。こういったものを、政治的により拡大させていくことが、若者の交流に役に立つと思っています。

――今年は中日国交正常化45周年で、来年は中日平和友好条約締結40周年を迎えます。このような年に、両国関係にどのような展望をお持ちでしょうか。

鳩山:民間交流、民間協力を高めていくことが大事です。お互いを知ることで、相手に対する不信感は消えていくものです。そして、お互いの不信感を取り除くためにも交流を拡大していくことが大事です。そして、政治的にもより良い状況を作っていくべきだと思います。この節目の年に、両国間の4つの政治文書と原則の内容をよく吟味して、それに従って協力することが重要です。日中の未来には素晴らしい方向性が宿っています。言葉だけではなく、きちんと心の中で理解して、行動することが大切だと思っています。(取材:劉叡、写真:李陽)

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