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トランプ氏の孫娘、アラベラちゃんのチャイナドレスのデザイナーは?

2017-11-20 19:19:07     cri    

 最近、中国のネット上では、ある金髪で青い瞳の少女が一躍、有名人になりました。刺繍を施したシルク製のチャイナドレスを身に纏って、流暢な中国語で童謡を歌い、漢詩や「三字経」の暗唱を披露するその姿は多くのネットユーザーの心を虜にしました。この少女こそ、トランプ米大統領の孫娘であるアラベラちゃんです。

 アラベラちゃんのチャイナドレスは中国風の要素を濃く取り入れ、バラの花の上を蝶々が飛ぶ手作りの刺繍は、「中洋折衷」をアピールしていて、まさに天真爛漫な少女にぴったりのデザインだとされています。このドレスのデザイナーは、「中国風」を世界の舞台に輝かせた中国人デザイナーのローレンス・シュー氏です。

 アラベラちゃんのドレスのデザインについて、ローレンス氏は、「オファーをもらった後、中米の友情を物語るストーリーでこの服を表現すべきだとの発想が閃いた。シルク、刺繍、雲錦模様、活力と情熱を象徴する蝶々など、中国の伝統的な文化要素とアメリカの包摂的かつ開放的な文化を代表する国花のバラを融合させたデザインは、両国の人々の友情を表すためだ」と語っています。

 ローレンス・シュー氏、本籍は中国山東省、中国語名は許建樹。近年になってからはパリ・ファッションウィーク・オートクチュールで初の中国人デザイナーとして、世界の舞台で徐々にその名が知られるようになっています。女優・範氷氷(ファン・ビンビン)がカンヌ国際映画祭に登場した際の「ドラゴンドレス」、女優・張静初(チャン・ジンチュー)がベルリン国際映画祭で使った「クジャクドレス」のいずれもローレンス氏が手掛けたものです。

世の中の人々は、美に対する共通認識を持っている

Q:なぜファッションデザイナーを選んだのか?

 ローレンス:母親は役者で、父親は建築エンジニアです。小さい頃から両親の勧めで書道を学んでいました。そして、母親の仕事のため、伝統芝居の服装や音楽、舞台などに馴染んでいました。また遊んでばかりいたため、父親に書斎に閉じ込められて、読書を強いられたこともありました。そのため、「紅楼夢」や「西廂記」、「牡丹亭」などの古典小説をたくさん読みました。中でも「紅楼夢」の中にあった「雲錦」に対する描写は非常に印象深かったです。その後、デッサンや絵画なども学び、服装と美学に対して深く興味を持つようになりました。大学に進学する時、中央工芸美術学院の服装デザインコースを選んだのは、自然な流れでした。

Q:中国の雲錦や刺繍などの要素を取り入れた服装を世界の舞台で表現するきっかけは?

 ローレンス:大学卒業後、2000年頃にパリへ留学し、西洋のファッションステージの輝かしさを知りました。国内のファッション業界は立ち遅れていて、西洋に対する模倣がほとんどでした。一方、西洋のファッションは文化的内面に欠けていると、どことなく思っていました。その後、DIOR、GUCCI、ARMANIなどのデザインには、柄や色などの面で東方文化の要素を取り入れていることに気が付きました。しかし、西洋の人々の東方文化に対する理解が限定的だったため、東方の美を真に表現することができていませんでした。そこから、私は、唐や清の時代の服装に使われていた雲錦とシルクなどの文化的な要素を自分のデザインに取り入れることを思いつきました。現在、中国は経済面での成果が注目されていますが、私は雲錦とシルクで自らの中国の夢を編み出し、世界に東方文化の美しさと華やかさを見せたいと思っています。

Q:最初から業界に認められていたのか?

 ローレンス:最初の頃、国内の同業者でさえ認めてくれませんでしたし、欧州のファッション業界で生きていくことも苦しいものでした。ファッションのことに関して、中国は発言権がないからです。しかし、世の中の人々は美に対する共通認識を持っており、美しいことを認めるはずだと思っています。中国の文化には人々を驚嘆させる美しさがあります。敦煌の壁画、伝統的な山水画、刺繍、蝋染めなどは、いずれも好評を博しています。これらの中国要素をデザインに取り入れ、世界で認められるような表現で中国の伝統文化をアピールして、世界に東方の美を知ってもらいたいです。2013年、私はパリ・ファッションウィーク・オートクチュールに招かれた初の中国人デザイナーとして、雲錦の織機を南京の博物館からパリへ運び、バックステージに置きました。古き中国文化でファッションの舞台を盛り上げ、全世界に中国の伝統文化の魅力を見せることができました。

チャイナ・オーダーメイドを世界一にする

Q:デザインのインスピレーションが途絶えたことは?

 ローレンス:中国には5000年もの歴史と輝かしい文化があり、私に無限のインスピレーションを与えてくれています。祖国各地の名所旧跡や京劇、昆曲、敦煌の壁画、チベット自治区の雪が積もる高原、貴州の少数民族の服装、景徳鎮の陶磁器など、これらを目の当たりにするたびに、中国文化の奥深さに感心し、そこに現れている模様や色彩などは、デザインのインスピレーションとなっていますね。

Q:デザイン後の縫製や刺繍などは、どうやってクオリティを保つのか?

 ローレンス:中国のオーダーメイドは現在、世界のトップレベルに達していると思います。まず、一つ目はシルクやカシミヤ、過去の皇族専用の雲錦など、ここには一流の生地があることです。第二に刺繍などの伝統的な技法が巧みに保護されており、紡績業も高いレベルをキープしていること。そして、第三に中国は勤勉な民族であること。これらの要素をベースに、中国のオーダーメイドが世界一流になっていると言えます。

「中国風」を世界に飾り付けよう

Q:ハイエンドのオーダーメイドは異なる国籍、地位の人を対象にしているが、どうやって的確なデザインを実現できるのか?

 ローレンス:服装のオーダーメイドは中医学と同じく、「見る、聞く、尋ねる、脈を診る」という手順が必要です。お客さんの特徴やニーズに合わせて、その素質や着用環境と合致した服装をデザインします。また、本人との話し合いを通して、その内面にある精神的な世界を探ることが必要です。それぞれの洋服には、1つのストーリーがあるべきです。私のファッションショーは、人が生まれてから死ぬまでの一生を表現するストーリーで一貫しています。中国のファッションも中国の物語、伝統文化を表現すべきだと思います。

Q:今後の計画は?

 ローレンス:中国独自の高級ブランドを打ち出すことです。ハイエンドのオーダーメイドの他、ウェディングドレスや既製服、子供服、靴などを作り、将来的にはインテリアもやりたいです。中国文化の美を洋服だけでなく、人々の家庭や飲食などにも取り入れ、人々のライフスタイルを美しくしていきたいです。

 祖国の文化に対する愛と、長年の西洋での渡航歴があるローレンス氏は西洋人に分かりやすい手法で、中国の伝統文化の美しさを表現することができます。これは、彼が西洋のファッション業界に受け入れられている要因の1つと言えるでしょう。

 「贅沢品市場が西洋のブランドに独占されている今日、人々は、中国がかつて世界のファッションをリードしていたことを忘れている。ベルサイユ宮殿や大英博物館など、ヨーロッパトップレベルの芸術の聖地に入ると、人々は中国の歴史文化の痕跡を多く見つけることができる。中国は自らの民族と文化に自信を持つべきだ。中国文化の美しさを世界のファッションに変えて、中国風で世界を飾り付けたい」-ローレンス・シュー

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