【PPPプロジェクト、韓城市の緑化と生態保護で人々に幸福もたらす】

　CRI日本語部の趙雲莎記者が、陝西省の西安市と韓城市地区を22日間に渡って取材しました。2012年から始まった一連の環境保護措置を経て、緑化環境が改善された現在の西安市と韓城市の風景、そこに暮らす人々のライフスタイルの変化を連載でお伝えしています。エコゾーンが体現するエコの理念を体験しながら、その美しい風景をお楽しみください！

　黄河西岸、陝西省西安から約250キロ離れたところに韓城は位置します。豊かな石炭資源の埋蔵量と関連工業によって、韓城は以前スピーディーな経済発展を経験し、全国県域の経済基本競争力ランキングで上位になっていました。しかし一方で、石炭関連企業に起因する環境汚染などの問題が、現地住民に大きな弊害をも与えたのです。取材で韓城市の桑樹坪鎮へ向かう途中、空気中に漂う石炭の塵の中に陥没した道路を見つけました。

　ここでは石炭の採掘に伴う水位の下降や地盤沈下、空気汚染などが深刻な問題となっています。住民の郭新愛さんは「企業が山奥の石炭資源を採掘し尽くしたことで、われわれの住む山はもう空っぽだ。うちの台所の土窯も（地盤の沈下で）崩れてしまった。部屋自体もいつ崩れるか分からないので、雨が降るたびに恐怖を感じている」と語りました。

　地盤沈下が発生する地区の居住環境を改善するため、韓城政府は安置団地と南湖公園を建設し、生態回復のプロセスを進めました。同時に、地質環境問題を根本的に改善させ、暮らしに潜む危険や地質災害の発生を防ぐため、韓城市はPPP（官民連携、Public Private Partnership）資本協力方式を導入して、20の石炭採掘区域において対策を実施しています。

　このPPPプロジェクトは韓城市の石炭採掘に起因する地盤沈下区の、生態回復と農業回復を目的としており、すでに資金面での問題を解決しました。このPPP協力モデルは経済発展の促進だけではなく、鉱山環境の改善にも役立っています。

　現在、韓城市は石炭資源型都市から生態観光都市にモデルチェンジをしています。韓城政府は計画に基づき、すでに市民に生態面でのメリットをもたらし、緑あふれる暮らしを提供しています。（取材・写真：趙雲莎）