世界貿易機関（WTO）は12日、2017年の世界貿易量が2.4％増加するとの見通しを発表しました。

　WTOはこの日発表したコミュニケで、「政策への透明性が欠けることが原因で、今年の世界貿易量の伸び率の予想幅は1.8─3.6％にとどまる。2018年には2.1─4.0％の成長が見込まれる」としています。

　世界貿易量の2016年の伸び率は1.3％でした。これは2008年の金融危機以降、最も低い増加率となっています。

　WTOのロベルト・アゼベド事務局長はコミュニケの中で、「貨物の流通と多国間のサービスが順調に行われれば、貿易は世界経済の成長に貢献できる。しかし、政府の責任者が自国の雇用を確保する目的で輸入に厳しい制限をかけるなら、貿易は経済成長を促すどころか、経済回復の妨げにすらなる」としています。（任春生、謙）