欧州理事会のトゥスク議長は31日マルタで、英国の欧州連合（EU）離脱プロセスを指導する方針の草案を発表し、「EU離脱によって英国に対し懲罰的措置を取ることはない。なぜなら、離脱そのものによる懲罰で十分と言えるからだ」と表明しました。

　トゥスク議長は同日マルタ首相との合同記者会見で「離脱交渉は2つの段階に分けて行われる。まずは、EU加盟国としての英国の権利と義務を定めた条項を取り消し、英国のEU離脱によってもたらされる直接の影響について、できるだけ明白にし、法律的に確実性のある情報を関係方面に提供する。次にEUと英国の将来的な関係を全面的に確定する。関連交渉は2019年3月29日までに終了する」と述べました。

　さらに「間もなく始まる英国のEU離脱交渉は困難を極めるものだろう。しかし、双方は相互尊重し、交渉の順調な進行を確保すべきだ。草案は、EUが建設的な姿勢で交渉に臨むことを定めている。英国が将来、EUにとって緊密な協力パートナーになることを望み、経済と安全協力を含めて英国と強固で建設的な関係を保つことは依然として双方の共同利益に合致する」と強調しました。（Mou、星）