第71回国連総会本会議は26日、米国に対して半世紀以上にわたるキューバへの制裁の解除を求める決議を圧倒的多数で採択しました。米国はこれまで、決議に「反対」してきましたが、今回は初めて「棄権」しました。

　決議は、キューバと米国の政府間関係の進展や今年3月に行われたオバマ大統領のキューバ訪問に歓迎の意を示した上で、米国側が一部の制裁を解除するために取り組んでいることに注視しているとし、「前向きなやり方だが、依然として範囲が限られている」との考えを示しました。また、各国にキューバに対して制裁するための法律や措置を制定・実施しないよう促しました。

　キューバのロドリゲス外相は「米国が棄権に回ったことは、キューバと米国の関係を促進する将来に向けた前向きなステップだ」と歓迎しました。一方で、「米国がキューバに対して制裁するほとんどの政策は依然として実施されていることから、キューバにとって重大な支障が出ている」と指摘しました。

　採決に先立ち、米国のパワー国連大使は「24年間に渡って、米国はこの決議にずっと反対してきたが、今回は棄権する。米政府はこれまでの政策を見直しているところである」との考えを示しました。（ZHL、星）