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ウィンタースポーツ博覧会、3億人普及目標に向け創意工夫

2016-10-21 21:34:54     cri    

 10月19日~22日、ウィンタースポーツとその関連産業の国際博覧会が、北京オリンピック公園にある国際会議センターで開かれました。2022年の北京冬季オリンピック誘致の成功を背景に開かれたこの博覧会場では、世界各国との交流を重視する動きだけでなく、ウィンタースポーツ人口拡大に向けた中国独自の創意工夫も随所に見られました。


会場入り口の様子

 同博覧会の主催元は2009年に北京で発足した民間団体「北京オリンピック都市発展促進会」と米マサチューセッツ州に本社を置くIT、イベント運営、ベンチャーキャピタルのインターナショナル・データ・グループ(IDG)社です。2社は今後2022年まで、同博覧会を年に一回開催するということです。

 メインフォーラムでは「未来を切り開く」という全体テーマの下、アメリカや欧州、日本など世界各国のゲストが出席しました。その他にもウィンタースポーツ用品や技術、スキー場の運営、マーケティング、観光、人材育成、産業投資などを取り上げた分科会が同時に開かれ、100人余りのパネラーが出席し、ディスカッションが行われました。


メインフォーラムの会場

 このほか、2万2000平方メートルの広大な展示スペースには、スイスやオーストリアなど雪資源に恵まれた国の国別展示エリア、スキー場や観光地の展示エリア、「インターネット+」を冠した、大画面でスキーの疑似体験ができるVR(バーチャル・リアリティ)のエリア、ウィンタースポーツ用品やスキーウェアの展示エリアなどがあります。さらに、500平方メートルのスケートリンクも設置され、来場者はリンクに入ってスケートやホッケーの体験ができます。日本からは長野県のスキー関連業界の合同ブースや、岩手県の安比高原スキー場がそれぞれ出展していました。


世界各国のウィンタースポーツ用品メーカーが集まる


スキーのVR体験


レスキュー関連機器の展示も 写真は四川省のメーカー


冬季五輪会場となる北京市延慶区の展示エリア


長野県と岩手・安比高原のブース 

 メインフォーラムを訪れたスキー場運営者は、「これだけ大規模な、ウィンタースポーツをテーマとする博覧会は初めてのことだ。情報交換ができることはもちろん、政府関係者が出席し、民間の私たちと対話するようになったことに、重要な意義があると思う」と博覧会の開催を高く評価していました。

 中国の習近平国家主席は、2022年の北京冬季オリンピックの誘致において、その開催によって中国のウィンタースポーツ人口が3億人になるという見通しを掲げています。今回の博覧会では、スキーやスケート関連の展示だけでなく、「ウィンタースポーツ人口3億人」の目標実現に向け、中国各界の創意工夫の成果が出展されていました。

 その一つの例は「氷上のサッカー」とも呼ばれる「氷蹴球」です。北京の湖・什刹海で300年前の冬に行われていた競技を近年、民俗学者の趙書さんが復活させたものです。アイスリンクの上に石を置き、円をめがけて足で蹴り、獲得した点数で勝負をします。この氷の上のサッカーは、復活を遂げてからは全国大会まで開催されるようになっており、今回の博覧会場でも、室内で試合ができるミニリンクが展示されていました。


「氷蹴球」用のリンク


天奥氷壺社のオリジナル新商品・両用カーリング・ストーン

 もう一つの例は青少年向けのもの。氷以外の床の上でも練習ができる「両用カーリング・ストーン」です。開発したのは工作機械工場の元エンジニア・王金義さん。2タイプの設置面が用意されており、1つは普通の加工ですが、もう一方には3つの車輪が装着されていて、床の上でも練習ができるようになっています。ネジで取っ手を取り外すことで、必要に応じて装着する面を変えることができます。一個あたりの値段は2000元~2500元(日本円では約3万~4万8000円)で、海外産のストーンの5分の1にまで抑えられています。「身近なところにアイスリンクがない青少年やクラブチームにも、気軽にカーリングを楽しんでもらい、大衆スポーツとしてのカーリング人口の拡大につなげたい」と王さんは言います。そして、「夢はわが社のストーンが2022年の冬のオリンピック大会に採用されること。今は国内外の認証取得に向けて一生懸命に頑張っている最中だ」と意気込んでいます。

(取材:王小燕)

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