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海外ハイレベル人材に帰国創業ブーム=蘇州SIP訪問記

2016-07-28 16:30:53     cri    

 改革・開放政策が実施されたばかりの30年ほど前の中国では、若者たちの間で「出国ブーム」が沸騰していました。海外留学と海外就職は、かつて多くの中国人にとっての夢でしたが、先進国に留学し、先進技術や文化を学びたいという若者は今でも多く存在します。しかし近年、この状況は一変し、留学生は「中国国内の高度経済成長による『恩恵』を逃してはならない」という考えが主流と成りつつあり、海外留学組のハイレベル人材による帰国後のイノベーション・創業がブームとなっています。


(蘇州大学シティ独墅湖科学教育イノベーションゾーン)

 7月18日から22日にかけ、国内外のメディアによる記者団は、蘇州市東部の蘇州インダストリアルパーク(SIP)を訪問しました。SIPは中国とシンガポールの両国政府間での重要な経済提携プロジェクトであり、国家海外ハイレベル人材イノベーションアントレプレナー基地として活気を帯びています。

 現在、SIPには、すでに各分野における海外からの帰国人材5000人、外国籍人材1万7千人余りが集まっており、海外帰国組が設立した企業は500社余りにも達しています。これまでに計135人が国家「千人計画」に入選し、大卒人材も30万人近くにのぼります。

 金峰ロジスティクスの蔡熙CEOは、80年代に日本へ渡り、神戸大学大学院の物流経営専攻科を卒業後、フォーチュングローバル500企業の物流会社に勤務、30年余り積み重ねてきた物流技術と設備分野での経験を携えて2012年帰国、蘇州金峰物流設備有限公司を創設しました。「なぜ帰国して起業する道を選んだのか」とのCRI記者の質問に答えた蔡氏は、「中国国内は経済発展が速く、しかも前途有望であり、個人個人がその能力を発揮することのできる空間が広がっている。SIPはさまざまな手厚い創業優遇政策を提供しており、企業には豊富な科学教育資源と人材資源も提供されるなど、創業に最適な環境を提供してくれている」と語りました。

 2015年李克強首相が「大衆創業・万衆創新」(大衆起業・万民イノベーション)というスローガンを打ち出して以来、中国国内では起業やイノベーション(事業の革新)のブームが起こっています。このブームは、国内の優秀な人材だけでなく、海外に留学または就職していたハイレベル人材による帰国後のイノベーション・創業ブームにも火をつけています。

 現在、中国と西側先進国との間には、近代化の進み具合になお大きな差がある中、多くの中国人留学生らはそれを「大きなチャンス」と捉えており、彼らの群を抜く専門的な素養と広い視野は、中国に帰国して創業する上での優れたアドバンテージにもなっています。

(取材・写真:趙雲莎)

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