二日間の日程で開かれた第5回世界平和フォーラムが17日、北京で開幕しました。フィリピンが一方的に仲裁を申し立てた南海問題などが焦点となり、パネラーたちは「話し合いによる解決を図るべき」ことで意見の一致を見たということが、同フォーラムの事務局長で、主催者である清華大学国際関係研究員院長の閻学通教授により、17日夕方、記者会見で明らかにされました。
閻氏は、フォーラムでの南海問題関連のディスカッションについて、「どちらに理があるのかという議論もあったが、それよりも齟齬が生じた後の解決法が焦点となった。軍事的手段ではなく、話し合いにより解決を図っていくべきだとする認識が、この問題に対する議論で共有されたと言える」と語り、「率直、開放的、多元的、豊富な情報量」が今回のフォーラムの4大特徴だったと述べました。
また、THAADミサイル(高高度防衛ミサイル)が韓国で配備されることを背景にした半島問題や、イギリスの欧州連合(EU)からの離脱なども熱く議論されていたということです。
清華大学主催、中国人民外交学会の協力による第5回世界平和フォーラムは、16日から17日にかけて、北京で開催されました。世界各地が安全保障のジレンマに陥いる中、共通した安全保障意識の確立に向け、20か国のシンクタンクからの40人余りのパネラーが、20あまりの分科会で意見を戦わせました。
なお、パネリストとして招かれ、日本から参加した小原凡司さん(東京財団研究員)は「全体の雰囲気が去年よりも柔らかいと感じている。皆が、世界の状況が悪化しており、問題を解決しなければならないという思いで参加しているため、議論は進めたいと望む方向に進めることができた会議だった」と、今回のフォーラムをポジティブに評価している様子でした。(王小燕)
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