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 北京日本学研究センター30周年、裏千家と記念行事

2015-07-10 16:36:21     cri    

 茶道裏千家の千玄室大宗匠に名誉教授の称号を授与する式典や、千玄室大宗匠による記念講演及び茶道七事式・且坐之式デモンストレーションが25日、北京外国語大学で行われました。同大学の北京日本学研究センター創設30周年記念行事の一環です。学生、教職員を始め、日本文化に興味がある学外からの参加者、裏千家北京同門者など約320人がこれに出席しました。

 茶道裏千家は1992年に北京外国語大学に茶室を寄贈したことに続いて、2004年、北京日本学研究センターと教育提携の覚書に調印しました。その後、同センターにおける裏千家派遣講師による茶道を初めとした日本伝統文化の授業が始まりました。覚書により、2006年から毎年、同センターの学生の訪日研修を受け入れるようになり、これまでの研修生人数は10人に上っています。25日の記念行事の会場では、着物姿で献茶式や茶事に参加した裏千家での訪日研修体験者の姿もありました。

 北京外大校務委員会の韓震主任は式典で、「これまでの30年、中日関係に雨風があったにもかかわらず、中日文化協力プロジェクトとしての北京日本学研究センターだけは一度たりとも動揺したことがない。これには茶道裏千家をはじめとした中日各界の支援と切り離すことができないものだ」と感謝の意を表しました。その上、茶道裏千家が同大学の日本語教育や日本学研究への支援の歩みを振り返り、日本文化にも精通するという日本語人材の育成における裏千家の貢献を肯定しました。


北京外国語大学の本館


名誉教授証書を受け取った後、千玄室大宗匠と北京外大校務委員会・韓震主任の記念撮影

 千玄室大宗匠は名誉教授を受け取った後、「茶道は中国からお茶が日本に伝わった後に、儒教、道教、とくに道教が大きく影響して生まれたものだ」と振り返り、「この外大を通じて、これからも茶の道を中国の若い方に私は一生懸命普及していきたい。そして、多くの皆さん方を日本に迎えたい」、「お茶を通じて、二国間の色んなハードルを越えて、中国と日本の方が一体感がもてることを心から念じる」と期待を述べました。


記念講演中の千玄室大宗匠

 授与式後の記念講演で、千玄室大宗匠は論語の言葉「学びて時に之を習う、また説ばし(よろこばし)からずや」を切り口に、生涯学習の大切さを訴え、当日の茶事デモンストレーションに使った掛け軸「悠々千古心」から、東アジアにある長い文化交流の歴史を振り返りました。そして、「お茶を飲む民族はみんな仲良し。たった1碗のお茶をどんな人同士でも差別・区別なく勧めあう。これが儒教・道教の実践の道なのです」と中国の若者に茶の道を薦めました。

 講演会の後、ステージに畳みを敷いて再現された和室の空間で、茶道七事式・且坐之式デモンストレーションが行われました。その後の質疑応答では、「茶事の時、何故お互いにあまり話しをしないのか」「下駄は何故足がはみ出るほどサイズが小さいのか」などと会場からの活発な質問に、裏千家の師範がユーモアを交えながら答えていました。

 参加者からは「茶道には前から興味があるが、今回は初めて実際に体験できて嬉しい」、「お茶がメインというよりも、お茶を中心とした文化こそがその精髄だと初めて知った」、「立ち振る舞いから足の運び方にまで、決まったルールがあるようで、大変セレモニー感が強い」、「現代人の生活にとって、気持ちを落ち着かせるのに良い効果があると思う」などの感想がありました。

 日本学研究センターは中日両国の教育、文化交流を促進し、中国における日本研究の人材育成を目的にし、1985年9月、中国国家教育部と日本国際交流基金の提携により北京外国語大学に設立された大学院です。30周年を記念するため、秋に向けて一連の記念行事が計画されているということです。

        <写真でみる茶道七事式・且坐式デモンストレーション>









               

         (取材・写真:王小燕、王蕙林) 国際・交流へ

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