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中日地方交流の模範~富山県大連事務所・高山久所長に聞く(下)

2016-11-29 20:25:31     cri    


  先月に続いて、ロードバイクが趣味の高山さんにインタビューします。今回の焦点は、中国との地方交流です。李克強首相から「中日地方交流の模範」とも称えられた富山県と遼寧省の交流。豊富多彩な面での展開が評価されました。

 中日国交正常化にも尽力した政治家・松村謙三の思い出から、遼寧省と富山の30余年に渡る地方交流の歩みの他、富山の極め方、ご当地グルメなどを紹介してくれます。また、北東アジアを視野に入れ、中国を含めた周辺諸国との交流に熱心に取り組んでいる様子など、盛りだくさんの内容でお届けします。  

 ◆抜粋:高山さんのインタビューから

――富山県と遼寧省との友好交流の歴史を紹介してください。

 富山県は、1984年に遼寧省と友好県省を締結し、2014年にめでたく30周年を迎え、本県知事を団長とする訪問団を瀋陽に派遣したところです。また、2004年に大連事務所を開設し、同じく2014年に10周年を迎えました。今後とも、人材、環境、経済、観光、文化など幅広い分野で、双方に有益な交流事業を積極的に展開することにしています。

――具体的にどのような分野で交流が推進されていますか。

 産業界で言いますと、遼寧省に進出している富山の企業は、現在、38社・47事業所となっています。2012年9月、「富山県ものづくり総合見本市」に中国からも多数の企業が出展し、商談などで大きな成果を収めました。

 教育、文化、スポーツ関連では、2013年から富山県内高等教育機関の学生を対象に、遼寧省・大連市での企業実務研修を実施しています。また、富山県、遼寧省、韓国江原道、ロシア沿海地方の高校生が参加する、環日本海インターハイを毎年開催。2013年第20回大会は富山県で行われました。

 また、遼寧省の学生向けの奨学金制度もあり、これまでに217名の研修生を受け入れています。2013年8月、置県130年を記念した「ホームカミングデイ」に合わせて、遼寧省から「富山ファン倶楽部」会員の招聘事業を実施、旧友などとの交流を深めていただいています。

――遼寧省だけではなく、富山県の企業の中国進出の状況は?

 現在、富山県企業約100社が中国へ進出しています。富山県では、1993年に中国をはじめとする環日本海地域との経済交流推進拠点として「環日本海経済交流センター」を開設し、また、2011年には同センター内に「海外販路開拓サポートデスク」を設置し、富山県企業の海外展開を積極的に支援しております。今後も、富山県企業と中国企業とのビジネスがより進化するよう、取り組んでまいりたいと思っております。

――北東アジアを意識した国際交流の企画もずいぶん色々実施してきたようですね。

 はい。富山県は、国際環境協力への貢献が高く評価され、地方都市では初の「日中韓三カ国環境大臣会合」が開催されました。併催した「北東アジア環境パートナーズフォーラムinとやま」で、「とやま宣言」を採択し、北東アジア地域自治体連合(NEAR、ニアー)環境分科委員会のコーディネート自治体として、国内外の自治体と連携して、広域的な環境モニタリング体制の構築、技術情報の共有、人材の育成に取り組んでいます。引き続き、日・中・韓・露の青少年による海岸漂着物調査などの環境体験活動や交流会を実施しています。

 中国遼寧省とも1998年から共同環境調査研究を行っており、2015年からは揮発性有機化合物(VOC)対策の調査研究を行っています。 今後も北東アジア地域の環境保全を協力して進めて行きたいと考えております。

――高山所長、おススメの富山観光のスポットは?

 富山県には、20mにもおよぶ「雪の大谷」やラムサール条約に登録された「弥陀ヶ原」、日本最大級のアーチ式ダム「黒部ダム」などを有する「立山黒部アルペンルート」。 そして、自然の中をトロッコ電車が走る「黒部峡谷」など、雄大で美しい自然を活かした観光資源がたくさんあります。ちなみに、県の花「チューリップ」の球根出荷量は日本一です。


五箇山合掌造り集落

 このほか、世界文化遺産「五箇山合掌造り集落」で代々受け継がれてきた「こきりこ祭り」や、哀愁漂う胡弓の音色に合わせて優美な踊りを披露する「おわら風の盆」など、古い歴史のある多彩な祭りや文化が今も息づいています。

 また、2014年10月、富山湾はユネスコの支援する「世界で最も美しい湾クラブ」への加盟が承認されました。中国の青島湾や、フランスのモンサンミッシェル湾といった世界に名だたる海と肩を並べることができ、大変うれしく思っております。クラブ加盟をきっかけに、本県では、湾岸サイクリングコースの整備やマリーナ施設の拡充などに取り組むとともに、加盟記念の湾岸サイクリング大会やマラソン大会を開催するなど、すばらしい景観や周辺環境の保全と合わせて、今後も魅力アップに取り組んでいきたいと考えています。

――最後に、富山ならではの魅力をお聞かせください。

 富山湾の宝石と例えられる「シロエビ」や、富山湾の神秘と謳われる「ほたるいか」など、新鮮で美味しい海の幸が豊富にあります。また、立山連峰の恵みである豊かな水が育む富山の「コシヒカリ」や、そこから造られる美味しい日本酒を味わうことができます。そして、風光明美な温泉郷なども多く、おとずれた皆様を最高のおもてなしでお迎えしております。

【プロフィール】

高山久(たかやま・ひさし)さん

 1974年生まれ。

 1996年富山県庁に入庁。

 1999年から2000年の1年間、遼寧省瀋陽市に派遣され瀋陽師範学院(現・瀋陽師範大学)及び遼寧省人民政府外事弁公室で研修を受ける。

 2014年4月に富山県大連事務所に所長として赴任。

 趣味はロードバイク。

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