聞き手:王小燕、高橋恵子
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書道で、「個性を出すことを重視する」日本に対して、中国は「臨書など基礎を重んじる」と鄧さんは言います。
同じように漢字を使い、源を同じくしながらも、「書道は中国と日本とでその後、趣の異なる道を歩んできた」だからこそ、日本と書の交流を行った時、鄧さんは新鮮に感じたと振り返ります。
デザインにも非常に関心がある鄧さん、大学では美術大学のデザイン専攻に進学。亀倉雄策(1915年 - 1997年)、福田 繁雄(1932 - 2009)、永井一正(1929年生れ)など日本人デザイナーに魅せられ、北京の大学を卒業後、デザインを学ぶために日本へ留学。その一方で、書への愛情も持ち続け、教えたり、展覧会を開いたりと日本社会とかかわり続けてきました。
書で結ばれた日本との交流をめぐり、今回も引き続き鄧宇さんに話を伺います。
写真(左)は2012年、弟・鄧寧と東京で開催した「鄧兄弟展」図録の表紙、(右)は揮ごうする鄧兄弟。
【プロフィール】
鄧宇(とう・う)さん
1974年生まれ。中央工芸美術学院(現在は清華大学美術学院)グラフィック・デザイン科を卒業。中国国際出版グループを経て、日本国立東京芸術大学大学院美術研究科に留学。現在、株式会社日本デザインセンター在籍。
1985年、第3回日中友好書道展に書道作品を出品し、中国大使館賞を受賞。
1986年、1988年と2回訪日し、書画芸術交流活動を行う。書道作品、水墨画作品にて数々の賞を受賞し、日本、シンガポール、カナダなどの美術館や個人に収蔵される。
1996年11月、ポスター「基本法・平和のハト」のデザインにより香港復帰を迎える中国政府の最優秀ポスター賞(中華人民共和国国務院新聞弁公室特別賞)を受賞、全国にこのポスターが掲示される。
1997年3月、包装デザイン「宇村陶芸」が、第1回「包装・デザイン」全国新人コンペティションにおいて金賞を受賞。この他、多くのデザイン作品が賞をとり、「中国デザイン年鑑」にも収録されている。
2002年12月、日本東京銀座画廊・美術館と新潟天寿園にて「日中国交正常化30周年記念・楮墨擷芳――鄧宇・鄧寧作品展」を開催。
2007年7月、日本東京日中友好会館美術館にて「日中国交正常化35周年記念・楮墨擷芳(ちょくぼく けつほう)――鄧宇・鄧寧作品展」を開催。
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