新疆は中国の北西部にあります。かつてはシルクロードの通り道であり、今も多様な民族が暮らすところです。古くから、ここは中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。
今月初めてになくなった周吉さんは新疆音楽界で音楽理論家及び作曲家として尊敬されていました。周さんは新疆ウィグル族の伝統芸能・ムカム、すなわち音楽・文学・舞踏を一体化した芸術を世界無形文化遺産に登録するために大きく貢献しました。
2008年5月5日、ムカムを研究した専門家・周吉さんは心臓病のため、66歳で亡くなりました。なくなる一カ月前に周さんは「ムカムと関わりを持ったことは私にとって生涯の幸せです。もし、私があの世へ旅立ったら、ムカムで送別してもらいたい」と語りました。ムカムは彼にとって何より大事なものだったのです。周さんは生前、記者のインタビューに答え、「ムカムを研究することはウィグル族の音楽関係者だけでなく、漢族を含めた新疆のすべての音楽関係者の責任です」と述べました。
1959年周吉さんは高等学校を卒業した後、新疆ウィグル自治区歌舞新劇団に入りました。周さんはウィグル族の音楽家と連携し、京劇を元にしてウィグル族ムカムのオペラをアレンジしました。このオペラは今でもムカムを舞台音楽劇にすることに成功したモデルとして評価されています。周さんは「ムカムはウィグル族の芸術の結晶であるだけでなく、東洋音楽と西洋音楽が融合して生まれたものです。私はムカムの研究に努めることを生涯の目標としています。」
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