心身の健康によい森林環境
森や林を歩くのは、気持ちがよいものです。それは、適度な温度や湿度が保たれ、光合成による炭酸ガスと酸素の交換が行われて空気が浄化されているからです。また、美しい景色に囲まれていることが多く、樹木の防音効果が静けさを、緑の色彩が安らぎを与えてくれます。こうした環境に加え、近年注目されているのがフィトンチッド。微生物などから身を守るために樹木が発散する物質で、殺菌・防虫作用や消臭・脱臭作用、空気浄化作用などがあると言われています。森林のよい空気の中で体を活動されることが、大気浴すなわち森林浴なのです。
森林の選択
樹木の種類が多彩で奥行きのある森林ほどフィトンチッド量が豊富です。地形も平地あり、ゆるい斜面あり、沼や池をめぐる道があるなど変化に富んでいれば歩くのがより楽しくなり、川や滝があればマイナスイオン効果も期待できます。
時季と時間
お勧めはフィトンチッドの発散量が多い時。1年のうちでは、高温多湿で日照時間の長い時季、つまり初夏から初秋にかけて。1日のうちでは、早朝と正午頃がベストです。
歩き方
気晴らしに歩く場合はゆっくりマイペースで。健康促進が目的なら、話しながら歩いても苦しくない範囲でやや早めの速度がよいでしょう。道がぬかるんでいたり、木の根があったりするかもしれませんが、一定のペースで歩くのが理想的。呼吸に合わせて歩くと無理なく歩けます。
服装
平地の森林ならハイキングの服装でよいのですが、標高のある森林にはきちんとした装備が必要です。ワークブーツなど底が厚くて深い靴、厚手のソックス、つばのある帽子のほか、重ね着のできる前開きの長袖シャツなど調節のできるものを上に着て、下は長ズボンがよいでしょう。
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