今年の10月6日は旧暦の8月15日で、中国の中秋節です。中秋の名月を見ながら月餅を食べるのは、中国人の風習の一つです。月餅(げっぺい)は中国の点心料理の一つとしても有名です。月餅は昔から、縁起物や一家だんらんのシンボルとされてきました。月餅は「胡餅」「宮餅」「団らん餅」という名前もありますが、もともとは、中秋節にお月様に供えるものでした。その後、中秋節に月餅を食べる風習になりました。
話によると、今から2000年前、揚子江の南の地域では、「太師餅」という皮が薄くて具の量が多いお菓子が出てきましたが、それは月餅のルーツになったお菓子かもしれません。最初の頃は、主に胡麻や胡桃のようなナッツ類を餡としました。当時、月餅は宮廷でしか食べれませんでしたが、明の時代になってからは、月餅を食べる風習が民間で広まるようになったそうです。
月餅は、月に見立てた丸くて平たい形が一般的ですが、中国各地では、大きさ、材料、中に詰める餡などには違いがあり、大きく分かれば、北京式、天津式、広東式、蘇州式、潮州式という5つのシリーズがあります。もし、餡の種類で細かく分ければ、五目ナッツや小豆のあんこ、棗のあんこ、胡麻、卵の黄身など、本当に数え切れないほどです。また、皮の違いによる分け方もあります。その中で、北京と天津式の月餅は精進物を材料とするのが特徴で、一般的に水分が少なめの餡を使い、クルミや松の実などのナッツを入れたものが多いため、保存性が比較的高いといわれています。また、蘇州式は味が濃く、潮州式の月餅は形が割りと平たく、皮の色が白くて、とても柔らかな感じで、食べやすいです。
最も有名なのは「広東式」で、柔らかめの餡や皮を用い、塩漬けし茹でたアヒルの卵の黄身を入れたものに人気があります。小豆餡の他、ハスの実の餡やナツメ餡なども多いです。
最近、工夫して考え出された新品も多くなりました。果物と野菜の味や海産物の味、お茶の味などが挙げられ、アイス月餅も出てきました。
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