古代中国の3千年の都が置かれた洛陽は、遺跡の宝庫といえる。人口3百万ほどの中国としては中都市。だが、長安と並び古代中国の政治、経済の中心だったここは、沿岸都市から離れていたことで、自然が残されている。丁度訪れたときは小麦が30センチほどに生長し、麦秋に季節を待っていた。
この洛陽、中国の他の地域と同じように都市開発が盛んだ。市内には高層ビルも建ち、一層都市化の様相を呈している。市内中心部の再開発地に最近ビル建設が行われた。このとき「天下駕六」という遺跡を発見した。わずか地下5メートルから骨格の完全に残した馬や天上人を運んだ馬車が完全な形で出土した。従来定説では、「四頭建て」の馬車しか発見されていなかった、最近、「6頭建て」が発掘され、さらに最高位の人物が使用したものと見られ歴史的価値を高めている。「天下駕六」は現在、博物館として公開されている。
このように、洛陽界隈では、開発により土地を掘り起こせば、史跡にぶつかることは目に見えている。地方政府は、「開発と保護」の狭間で、苦しい決断を迫られるだろう。悠久の歴史が織りなす歴史絵巻、まだまだ多くのロマンを秘めて、洛陽の大地で眠っているのだ。
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