「世界の屋根」と呼ばれる中国の青海省はミステリアスで魅力的なところとして知られています。青蔵高原上の重要な省であり、中国最大の内陸塩湖「青海湖」があることから「青」という略称がつけられています。
青海湖は青蔵高原北東部、省都・西寧市から150キロのところにに位置しており、面積4500平方キロ、海抜3,200mの高地にあります。周囲には広い草原が緑のじゅうたんのように広がり、大小23の河川が流れ込むほか、資源が豊かで気候も温和です。真夏でも平均気温が15℃前後で、避暑地としても理想的な場所です。
青海湖は四季折々の風景が楽しめる魅力的な観光地であるだけでなく、世界中の科学者の注目を集める「宝の湖」でもあります。政府の調査で、湖の中には豊かな鉱物資源が眠っていることが分かりました。また、「湟魚(コウギョ)」という魚は中国に存在する唯一の高寒冷地塩水魚種です。全くうろこのないこの魚は、毎年4月から5月にかけて近くにある川を遡って産卵し、水面を金色に染めます。この地域の名産に「凍魚」というのがあります。冬になって青海湖が凍り人々が氷に穴を開けると、水中の魚は穴から差し込む太陽の光に引かれて氷の上に飛び出してきます。それが凍魚。料理すると絶品な美味になります。
青海湖の中にある「鳥島」は有名な観光地です。青海湖の西北に位置する長さ500メートル、幅150メートルの島には、10万羽以上の鳥が生息していて、「鳥の世界、鳥の王国」としても親しまれています。「鳥島」は青海湖地域にある最も人気のある場所と言っても過言ではありません。毎年春が訪れると、10万羽の渡り鳥が遠く中国南部や東北アジアから飛んできて、巣をつくりヒナを育てます。島で生活する鳥を守るため、専門機関が設置され、鳥類の研究や保護活動が行われています。
ここに住む漢族、チベット族、モンゴル族の人々は穏やかな生活を送っており、協力し合って青海湖と周辺の環境を守り、貴重な資源を合理的に開発しながら地域づくりに励んでいます。
青海湖の絶景やこの地域独特の文化に惹かれ、世界中から観光客が集まってきます。人気が高まる「高原の旅」事業を促進するため、現地観光部門は青海湖周辺に観光施設を設けています。訪れる観光客は高原牧場の景色を眺めるだけでなく、馬やヤクに乗って気ままに草原を散策したり、現地住民の家を訪れてチベット族特有の民族文化を体験したりすることもできます。牧場には観光客のため、様々なスタイルのテントが立てられ、チベット風のミルクティーや焼きそば、裸麦の酒などこの地域ならではのグルメを楽しめます。
2002年から毎年7・8月、湖の周辺をコースとする自転車ロードレース「ツール・ド・チンハイレイク」が開催されています。世界で最も高い所を走る国際自転車レースとして、世界の20チーム・100名以上の選手が集まり、9日間・計1300キロのレースで総額60万ドルの賞金を争います。青海湖の周りに広がるコースは、途中で美しい景色を満喫できるように設定されています。
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