中国の社会や経済は、1978年に改革開放政策を開始してから30年間で大きく発展しましたが、このことは西側諸国のメディアからも「中国の奇跡」と評価されています。この言葉は、世界が中国の改革開放の成果を認めて作られたものといえるでしょう。中国は自らの発展により、13億人の衣食住など基本的な生活を確保し、国民生活の質を大幅に高めるとともに、世界各国に利益を与えています。
1978年以前、中国は閉鎖的な経済政策を行っていましたが、改革開放政策によって世界に向かって門戸を開きました。中国は世界の金融活動などに参加するようになり、世界もますます中国を必要とするようになりました。中国の対外貿易依存度は現在、50%以上に上っており、経済のグローバル化における重要な地位を占めています。これについて、APEC・アジア太平洋経済協力会議の元高官である中国の王隅生氏は、次のように述べています。
「改革開放を30年間にわたって実施してきたことで、中国は、急速な成長を遂げた。国の実力も世界金融における役割も大きくなっている」
中国商務省の統計では、世界のトップ企業上位500社のうち480社が中国に投資しています。また、ここ30年間に中国に投入された外資の総額は、アメリカについで世界第2位の7600億ドルだったということです。
それと同時に、中国企業は海外への進出を進めています。2005年までに、中国企業の海外直接投資総額は572億ドルに上っており、投資先は163の国や地域に及んでいます。とくにアフリカ、ラテンアメリカそれにアジアへの投資は、地元経済の成長を大きく促しています。これについてセネガルのワッド大統領は、次のように述べています。
「中国は、アフリカ諸国のインフラ整備を支援するなど、アフリカの経済発展に重要な役割を果たした。これにより、数百万人の生活レベルが向上した」
また、アメリカの統計によりますと、2007年、アメリカの輸入額は1兆7000億ドルに上りましたが、そのうち15%は中国からのものでした。安くて品質の良い中国製品により、アメリカ人の生活はより便利で充実したものとなりました。アメリカの前大統領クリントン氏の経済顧問だったタイソン女史はかつて、「1997年以降、安い中国製品がアメリカ市場に進出するようになって、アメリカの消費者は毎年少なくとも数百億ドルの支出を節約できるようになった」と明らかにしています。
「メイド・イン・チャイナ」すなわち中国製品はアメリカだけでなく、全世界の人々に大きな利益をもたらしているのです。これについて王隅生氏は、こう述べています。
「中国経済の発展はインド、ブラジルなどの発展と同様、世界の経済構造を変えている。まずは割合の変化である。世界経済システムにおける発展途上国の割合は以前は小さいものだったが、39%、49%と、いまでは半分近くにまで拡大している。もう一つは、多角的な変化である。これは避けられないものだと思う」
中国の発展は、世界経済にとっての安定要素となりました。1997年の東南アジア金融危機では、中国が人民元の切り下げを実施しなかったことで、東南アジアの国々は経済を回復させることができました。また、今年の世界金融危機でも、中国は4兆元の経済投資計画を打ち出し、世界から認められました。
先日ワシントンで開催されたG20サミットで、中国の胡錦涛国家主席は「中国経済の安定的かつ順調な発展が、世界金融の安定を維持するとともに、世界経済の発展を大きく促している。中国は世界金融危機に対処するため国際協力に積極的に参与し、役割を果たしてきた」と述べました。
改革開放から30年が経ちました。この政策を取らなかったとしたら、中国の今日の繁栄はありえません。中国は、グローバル化した世界経済の一員として、今後もオープンな態度で、世界経済における競争に立ち向かおうとしています。それは、中国だけでなく世界各国の人々にもより多くのチャンスをもたらすでしょう。
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