主要20カ国(G20)金融サミットが15日、アメリカの首都ワシントンで開かれました。中国の胡錦涛国家主席はその席上、演説を行い、金融危機が生じる原因や危機対策、国際金融システムの改革など国際社会が関心を寄せている問題について、中国の立場を表明しました。
アメリカのサブプライムローン問題に端を発した金融危機は全世界に広がっています。金融危機が生じた原因について、胡錦涛国家主席はこの演説の中で、「危機の発生は、不適切なマクロ経済政策と金融システムに対する監督管理の欠如によるものだ。国際社会にとって、当面の急務は金融市場の信頼回復と危機の拡大を防ぐため、あらゆる必要な措置を講じることにある。各国は、マクロ経済政策の協調や金融情報の交換、金融機関に対する監督管理の国際協力を強化し、自国と国際金融市場の安定化に必要な条件を作らなければならない」と指摘しました。さらに「金融危機への対策で、経済成長を保つことは重要な基礎となる。世界的な景気後退を防ぐため、各国はマクロ経済政策を調整し、財政や通貨面での必要な手段を通じて、経済成長を促すべきだ」と強調しました。
また、国際金融システムの改革について、胡錦涛主席は4つの改革措置を提出しました。
まず、金融監督管理の国際協力を強化し、国際監督管理体制を完備し、評価機関と行動基準を構築するとともに、資本移動と各種の金融機関と仲介業者への監督を強化し、金融市場と金融製品の透明性を高めること。第2は、国際金融機関の改革を推進すること。国際金融機関の政策決定メカニズムに対する改革を行い、発展途上国の発言権を高めるほか、全世界、特に主要国際金融センターの早期警報システムと高効率な危機対応体制を構築すること。第3は、金融面での地域間協力を奨励し、地域資金救済体制が持つ役割を十分に生かすこと。第4は、国際通貨システムの多元化を着実に推進することです。
胡錦涛主席はまた、「経済のグローバル化が進む中、世界各国の経済・金融関係は日増しに緊密なものになってきている。今回の金融危機は、先進国の金融市場に大きな衝撃を与えただけでなく、発展途上国にもマイナスの影響をもたらした。その影響はさらに深刻化していく傾向がある」と指摘した上で、「国際社会、特に先進国は、アフリカなどの発展途上国に支援するための実務的な措置を講じるべきだ」と強調しました。
なお、胡錦涛主席はこの演説の中で、中国の経済発展の状況や金融危機対策で取った一連の経済成長に向けた措置について紹介しました。胡錦涛主席はその中で、「中国は、責任のある態度で国際金融市場の安定の維持や、世界経済の発展を促す国際協力に参加したい。国際金融機関が金融市場の変化に応じて融資能力を向上させ、金融危機の影響を受けている発展途上国への支援を強化することを支持する。また、世界銀行の貿易融資計画に積極的に参加したい」と表明しました。(翻訳:洋)
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