今月25日、中国は有人宇宙船「神舟7号」を打ち上げ、27日、乗組員の翟(タク)志剛飛行士が船外活動を行ないました。
宇宙空間に出た翟(タク)志剛飛行士は、「『神舟7号』から報告します。船外に出ました。気分がいいです。『神舟7号』は中国の全国民、世界の人々に挨拶します」と語りました。
1965年3月18日、旧ソビエトのレオノフ飛行士は史上初めて宇宙船の船外活動を行ないました。
それ以来、各国の宇宙飛行士はおよそ300回船外活動を行なっています。
1992年、中国は有人宇宙飛行プロジェクトをスタートさせました。
1999年から、中国は「神舟」シリーズの回収型宇宙船を6回打ち上げ、無人と有人の宇宙飛行をぞれぞれ4回と2回行ないました。
また、去年、月探査衛星を打ち上げ、宇宙技術の進展を見せました。
今回の「神舟7号」の打ち上げで、中国政府は海外メディアの取材を受け入れました。
アメリカの週刊誌「ワシントンオブザーバー」は「『神舟7号』は平和の使節である」としました。
1903年にロケット工学の先駆者(せんくしゃ)であるロシアのツィオルコフスキー氏が液体燃料多段式ロケットによる宇宙飛行の構想を明らかにして、宇宙開発が行なわれています。
冷戦時代に入って、宇宙開発は大国による軍備や国力を増強する競争の一環となりましたが、現在、宇宙の平和利用は国際社会の共通認識となっています。
1966年の国連総会で採択された「宇宙条約」は「天体を含む宇宙空間に対しては、いずれの国家も領有権を主張することはできない。探査および利用はすべての国の利益のためであり、国際法に基づいて全人類が自由に行うことができる。また、核兵器など大量破壊兵器を運ぶ物体(ぶったい)を地球周回軌道に乗せたり、宇宙空間に配備したりしてはならない」と規定しています。
2004年、第59回国連総会は宇宙空間における軍備競争の防止に関する決議を採択しました。
温家宝首相は「中国は宇宙の平和利用を主張し、宇宙での軍備競争に反対する。宇宙の平和利用という中国の立場に変わりはない」と強調し、関連諸国が宇宙の平和利用に関する条約に一日も早く調印するよう呼びかけました。(ジョウ)
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