中国が打ち上げた有人宇宙船「神舟7号」に搭乗しているテキ志剛飛行士が27日午後、船外活動を行い、中国人としては初めて宇宙空間へ足を踏み出しました。
27日午後4時半頃、飛行士の身体状況の確認が行われた後、地上の管制センターは飛行士に対し、船外に出るよう指示を出しました。この指示を受け、船外宇宙服を着たテキ志剛、劉伯明両飛行士は軌道船のハッチを開け、中国人として初めての船外活動を始めました。テキ志剛飛行士は、地上に次のように報告しました。
「神舟7号の船外に出ました。体の調子は良好です。中国そして世界各国の皆さん、こんにちは!」
軌道船のハッチを開けて15分後、テキ志剛飛行士は、軌道船から離れ、中国人としては初めて、宇宙空間への第一歩を踏み出しました。その後、テキ志剛飛行士は、中国の国旗を振りながら宇宙遊泳を行いました。同じく船外宇宙服を着た劉伯明飛行士は軌道船内でサポートを行い、もう1人の景海鵬飛行士は帰還船の中で待機していました。
テキ志剛飛行士はおよそ20分にわたって船外活動を行い、軌道船の外壁に取り付けられた実験材料を予定通りに回収した後、船内に戻りました。
午後4時58分、北京宇宙飛行管制センターは「飛行士が船外活動を完成し、軌道船に戻った」と発表しました。これを受けて、現場では大きな拍手が湧き起こりました。
これについて中国の有人宇宙飛行事業の周建平総設計士は、中国が宇宙実験室または宇宙ステーションの建設に向け、大きく踏み出したことを意味していると述べました。
「人間は宇宙で自動化機械では取って代わることのできない役割を果たすことができる。船外活動の技術を身につければ、飛行士は船外で組立て、修理、科学実験などができるようになる。その後は、宇宙船のドッキングがわれわれにとって二番目の任務となる。ドッキングとは2つの宇宙船を宇宙空間で結合させ、機械的につなげることだ。飛行士は2つの宇宙船の間を移動したり、貨物を移したりする。これをクリアすれば、宇宙ステーションや宇宙実験室を運行する基礎的技術をマスターできる。そして、宇宙ステーション建造という目標を実現できる」
中国で初の船外活動を行ったテキ志剛飛行士は今年42歳、10年前に宇宙飛行士に選ばれました。彼について、有人宇宙船「神舟5号」の楊利偉飛行士は次のように評価しています。
「テキ志剛さんは聡明で、性格もいい。また、宇宙航空技術をしっかり勉強し、マスターしているので、今回の任務を立派に成し遂げることができると思う」
計画では、船外活動終了後はターゲット監視衛星を放ち、この衛星に搭載しているカメラやビデオを利用して宇宙船を観察します。この実験が成功すれば、中国は宇宙空間への放出技術をマスターした三番目の国となります。
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