6月17日から25日にかけて中国の習近平国家副主席は朝鮮、モンゴル、サウジアラビア、カタール、イエメンへの公式訪問を行いました。訪問を終えて帰国する直前、随行した張業遂外務次官は習近平国家副主席の今回のアジア５カ国訪問の成果について記者団に紹介しました。

　張外務次官は「今回の訪問は習近平国家副主席が国家副主席に就任してから初めての外国訪問であり、中国の今年の重要な外交活動の一つでもある。今回の訪問は効率的な日程で、大きな成果を上げた。中国と5カ国との関係発展を促進し、友好の旅、協力の旅、意思疎通の旅になった」とした上で、今回の訪問の四つの重要な成果を挙げました。

　まず、その成果の第一点です。この5カ国はいずれも中国と伝統的な友好関係を持つ国で、訪問を通じて従来の友好関係をさらに強化させます。訪問中、習副主席は5カ国の手厚いもてなしを受けました。そして5カ国の指導者や各界の有識者などと幅広い分野で交流を行い、今後も、友好関係を強化していく意欲を示しました。一方各国の指導者は四川大地震についてお見舞いの意を再び表し、中国の災害救助活動を高く評価した上で、台湾とチベット問題に対する中国の立場を支持し、北京オリンピックの成功を期待しているとの考えを示しました。これは5カ国国民と中国国民との間の深い友情を示しました。

　第二点です。今回の訪問は中国と5カ国の間の互恵協力を進めました。5カ国は、中国との経済上の補完性が大きく、相互協力の基盤も強固であり、協力の潜在力が大きいことを認識しています。5カ国は中国との協力強化に強い意欲を示しました。訪問期間中、習国家副主席は5カ国指導者と各分野での協力強化で新たな合意を行い、多くの合意文書に調印しました。合意内容は農業や経済貿易、エネルギー、資源、インフラ整備、文化、教育、観光など多くの分野を含んでいます。

　第三点です。今回の訪問では、中国の国内情勢および重要な国際問題に対するそれぞれの立場の紹介を通じて、交流と相互信頼を深めました。習国家副主席は五カ国の指導者に中国の発展状況、特に、震災復興と北京オリンピックの準備状況を紹介しました。そして、中国が改革開放と平和発展の道を堅持し、善隣友好の外交方針を遂行すること。双方が利益を得る対外開放戦略を実施し、平和を維持し、共に繁栄する調和の取れた世界の建設に力を入れるという考えを示しました。5カ国の指導者は中国が目覚しい発展を遂げていることを評価した上で、中国の発展と経験に学びつつ、重要な国際問題や地域問題について中国との交流を強化することを期待しています。

　最後に、第四点です。今回の訪問で、習近平副主席は、国際エネルギー会議に出席し、中国のエネルギー政策に対する国際社会の理解促進に努めました。サウジアラビア国王の招きで、習国家副主席を始めとする中国代表団はジェッダで開かれた国際エネルギー会議に出席し、講演を行いました。その際、習国家副主席は国際エネルギー問題に対する中国の立場を説明した上で、エネルギー問題は全世界の問題だと強調し、国際社会は対話と協力を強化し、適切に対応しなければならないと指摘しました。