中国国際友人研究会の主催で、胡錦涛国家主席訪日後の中日関係について話し合う座談会が22日、北京で開かれました。座談会には中国の劉徳有元文化次官、王泰平元大阪中国総領事、日本大使館の道上尚史公使、日本国際交流基金会北京事務所の小島寛之副所長ら中日双方の代表20人あまりが出席し、四川大地震のほか、中日両国の戦略的互恵関係や北京オリンピックなどのことについて、語り合いました。
席上、参加者は今、中国で話題となっている日本国際緊急援助隊のことを特に取り上げました。劉徳有元中国文化次官が、地震後日本援助隊の報道を読んだある中国人のインターネット上の書き込みを読み上げました。その書き込みは次のとおりです。
「相手を恨むのは毒薬である。歴史を忘却するのは裏切りである。中日関係は恨みが続いている状態から抜け出す必要がある。理知的に中日関係を観察するには、歴史を忘れないことを前提に民族和解をしなければならない。今は、もしかしたら民族和解の日を迎える時かもしれない。われわれが歴史を忘れてはならないことは、決して今の日本人を恨むべきことを意味していない」
また、席上、日本の道上尚史公使が先日、大使館にかかってきた中国人男性の電話について話しました。
この男性は中国湖南省の30代の男性です。彼はおじいさんから日本軍のことを聞いて、もともと日本が大嫌いでしたが、今回、日本緊急援助隊の「どんなに苦労しても中国に役に立ちたい」語るシーンを見て、大声で泣いてしまったといいます。「日本への憎しみは今回尊敬に変わった」と言ったそうです。その気持ちを日本人に伝えたかったため、わざわざ日本大使館に電話をかけてきたのです。
今回の四川大地震は中国にとって未曾有の大惨事であり、永遠に忘れられない悲劇でもあります。しかし同時に、つらいときに手を差し伸べてくれる隣人の温かみを感じることが出来たのも確かです。日本救援隊の活躍に対する中国国内の感謝の声は、今後の中日関係に変化をもたらす大きな力となりそうです。(劉非)
|