コソボ自治州議会は17日、セルビアからの独立を宣言しました。
これに対して、セルビアのタディッチ大統領は、「コソボ独立は永久的に認めない。外交的、法的手段で対応する」と述べると共に、コソボにいるセルビア人の安全を保障するよう関係部門に指示を出しました。
タディッチ大統領は、また、この日、国連のパン・ギムン事務総長に書簡を送り、国連がコソボの一方的な独立宣言を撤回させ、コソボ議会を解散させるよう求めました。タディッチ大統領は、その中で、「国連の1244号決議によると、セルビアがコソボに対して主権を保有している。コソボの地位問題の解決には安保理の許可が必要だ」と強調し、国連のすべてのメンバー国がセルビアの国家主権と領土保全を尊重するよう求めました。
コソボ自治州が一方的な独立を宣言したことについて、中国外務省の劉建超報道官は、18日、「中国は強い関心を持っている」とコメントしました。
劉建超報道官は、「コソボ問題は、バルカン地域の平和と発展や、国際関係の基本原則、安保理の権威と役割に関わっている」と述べた上で、セルビアとコソボの双方に国際法の枠組み内で交渉を続け、適切な解決方法を模索するよう呼びかけました。
国連の安全保障理事会は17日、コソボ自治州のセルビアからの独立をめぐって非公開の緊急協議を開きましたが、パン・ギムン事務総長は協議の後、声明を発表し、関係各国に対して「これまでの約束を守り、コソボの平和や安定を脅かすような言動を控えるよう」呼びかけました。
ロシア外務省は、声明を発表し、「コソボの独立は、セルビアの主権を損ない、国連憲章と国連安保理の1244号決議に背いている」と指摘し、効果的な措置を講じて、コソボ問題を解決するよう国連に求めました。
一方、アメリカ国務省は、「この問題については自制し、挑発的な行為の発生を避けるよう関係各方面に希望する」という声明を発表しました。
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