中国の中・南部を中心に今月中旬以降、50年ぶりの大雪が降りました。中国の温家宝首相は28日夜、被害の大きい湖南省に赴き、復旧作業の指揮をとっています。
温首相は29日朝、湖南省の長沙に到着してすぐ、被害の最新状況について報告を受け、地元の担当者らとともに対策を検討しました。温家宝首相は、「できるだけ早く電力供給と交通を復旧させ、市民生活に対する影響を解消するよう」要求しました。
温首相はまた、「政府と関係部門が力を合わせ、石炭輸送や電力供給などを確保しなければならない。人命の安全と経済の安定を保つと共に、市民がよい春節を過せるよう復旧に向け力を入れてほしい」と述べました。
中国、50年ぶりの低温・降雪で66万ヘクタールの作物被害
中国農業省は、中国の中・南部を中心とする低温と降雪により、29日午前の段階で、16の省・自治区・市で66万ヘクタールに上る作物が被害を受けていると発表しました。野菜、小麦、茶の被害がとくに深刻だということです。
これを受けて農業省は、被害の大きい湖南省、貴州省、江西省、湖北省などでの状況把握につとめ、復旧作業を指導するため、専門家グループを派遣しました。
気象観測部門の予測では、この悪天候はまだまだ続く見通しで、被害がさらに拡大すると予想されます。
中国、今年上半期に都市部の医療救助システムを確立
中国民政省最低生活保障局の王治坤副局長は29日、北京で、「今年上半期に、都市部の医療救助システムを確立させる」と述べました。
王治坤副局長は、「都市部の医療救助システムは2005年からテスト運用し始め、これまでに、2560の県、市で制度を確立した。また、農村でもこの制度が広がっている」と述べました。
王治坤副局長はまた、「中央財政は今年、農村の医療救助予算を大幅に増やし、同時に各地方の予算も増やすよう求めていく」と語りました。
中国、被害の8省に3000の医療チームを派遣
中国衛生省は、30日、「大雪による災害に見舞われた8つの省に3000の医療救援・衛生防疫チームを派遣している」と明らかにしました。
中国衛生省は、医療救援活動を展開し、被害地の医療体制の確保に努めています。これまでのデータによりますと、29日までに、安徽省、江西省、湖南省、重慶市などの8つの省や市に3000の医療救援・衛生防疫チームが派遣されています。また、救援に関わっている医療関係者はが1万4千人にのぼり、5万4千人が救助されました。
中国、気象観測と災害予報への投入を拡大
中国気象局の于新文報道官は30日、北京で「中国政府は、気象観測と災害予報のプロジェクトに20億元(約320億円)を投入することになる」と明らかにしました。
また、于新文報道官は「気象観測と災害予報プロジェクトは、3年から5年間で完成する予定で、各地で新たに気象レーダー観測所を設立したり、移動気象観測車を配置したりする。それと同時に、気象災害の予報システムの完備に力をいれていく」と述べました。
中国気象局、南方の悪天候は継続と予測
中国気象局の矯海燕報道官は30日、北京での記者会見で、中国の南方で広く発生している低温と降雪は、今後3日間続く見通しだと発表しました。
寒気と暖気の流れが共に活動していることにより、今後3日間、中国南方の広い範囲で低温と降雪が続き、とりわけ浙江省や江蘇省、安徽省などでは大雪が、貴州省や湖南省、江西省、広西チワン族自治区などでは雨氷が発生する見通しだということです。
中国気象局は今後、気象情報を提供するとともに、公安、交通、電力などの部門と連携して、被災状況の通報などに取り組むということです。
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