12月30日はイラクのフセイン元大統領が処刑されてから一周年に当たります。イラク内務省は29日、テロを防ぐため、イラク治安部隊の準備はすでに整ったと表明しました。
2006年11月5日、イラク最高裁判所はフセイン元大統領らが、1982年に、イラク北部ドゥジャイル市で大統領暗殺を試みた148人の人々を拘留し殺害したとして、フセイン元大統領らに死刑判決を下しました。そして、12月30日、フセイン氏の死刑が執行されました。報道によりますと、フセインの支持者はこの30日、バグダッド西部の地区や一部のスンニ派が集まり住む地域などでフセイン元大統領処刑を悼む活動を行っています。
テロの発生を防ぐため、イラク内務省は29日、「イラク治安部隊はイラク駐留多国籍軍と連携し、効果的な情報収集活動を行い、計画的にあらゆるテロの陰謀を打ち砕く」と表明しました。この日、イラク治安部隊はフセイン元大統領が拘束されたアッドールで無期限の夜間外出禁止令を出しました。ところで、一部のフセイン元大統領の支持者はイスラム教の暦に基づいて、すでに12月18日から活動を行い始めました。
スンニ派が集中して住むイラク中部と北部では、フセイン元大統領は依然として影響力のある英雄と見られています。また、アメリカ軍とシーア派政権が主導したフセイン氏に対する裁判と処刑は独裁者に対する懲罰というより、宗派間の復讐だとするスンニ派の人々はかなり多いです。フセイン元大統領の支持者は今のイラク情勢に非常に悲観的な見方をしています。
しかし、多数派のシーア派とクルド人はフセイン元大統領の処刑を支持しています。あるシーア派の活動家は「フセイン元大統領が公正な審判を受け、自らの犯罪によって処刑されたのは当たり前のことだ」と指摘しました。これに比べて、イラク南部のシーア派の人々と北部のクルド人の反応は比較的に冷静であると見られています。
イラク戦争が終結して4年後の今日、イラク国民は依然として安定を迎えることができません。イラク国内の民族和解は大きな困難に直面し、イラク政権内部の各勢力間の紛争も続いています。シーア派の「サドル組織」、スンニ派の「イラク合意戦線」、世俗派の「国民イラクリスト」などは今年、相次いで現政権を拒否すると宣言しました。フセイン元大統領の処刑一周年日に対する異なった反応から見れば、各党派間の重なった恨みを取り除く道はまだ長いと見られています。
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