パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスと自治政府のアッバス議長の支持基盤ファタハの武装メンバーによる衝突が13日、ガザで再発し、4人が死亡しました。
これは両派による連立挙国一致内閣が発足して以来、最悪の衝突となっています。
治安当局によりますと、ハマスの武装メンバーは13日朝、ガザ北部のベイトラヒヤでファタハの軍事部門「アル・アクサ殉教者旅団」のメンバー2人を待ち伏せ攻撃し、2人が死亡したということです。
これを引き金に当日、両派による衝突が相次ぎました。
「アル・アクサ殉教者旅団」のメンバー2人が攻撃を受けて数時間後、ファタハの武装メンバー1人がガザのモスクでハマスのメンバー2人を射殺し、十数人を負傷させました。
また、ファタハメンバーの葬儀で両派の武装メンバーによる銃撃戦が起き、3人が負傷しました。
更に、ファタハとハマス両派は互いに相手のメンバーを拉致しました。
目撃者によりますと、約20人が拉致されたということです。
こうした情勢を受け、ムスタファ・バルグティ情報相は「流血衝突が続けば、挙国一致内閣ひいてはパレスチナ人全体が危機に瀕する」と警告し、武装勢力の撤収を両派に呼びかけました。
一方、ハマスとファタハの間では和解の兆しが見られず、双方の幹部は互いに相手を批判しています。
「アル・アクサ殉教者旅団」の幹部は「現在の情勢は後戻りできない。我々は犯罪者の追及を徹底していく」と決意を表しました。
これに対し、ハマスの報道官は「警戒を続け、拉致されたメンバーの解放に努力を尽くしていく」と述べました。
パレスチナ内部の衝突により、パレスチナの新しい治安計画は危機に直面しています。
先週、パレスチナ自治政府内務省は治安回復のため、ハマスとファタハの武装勢力を統合し、ガザで3000人規模の治安部隊を配備することを決定しました。
この計画は内部抗争と武装メンバーによるイスラエルへのロケット弾攻撃を止めさせ、パレスチナ・イスラエル和平交渉への条件作りを目的としています。
しかし、計画は実施される前に破壊され、パレスチナでは内部抗争が再発し、武装メンバーによるイスラエルへのロケット弾攻撃も続いています。
イスラエル政府は13日閣議を開き、パレスチナ武装メンバーによるロケット弾攻撃への対応策を検討しました。
会議ではガザへの大規模軍事攻撃は否定されたものの、一部の閣僚はガザでロケット弾を発射する武装メンバーへの暗殺作戦を継続する立場を維持しています。
こうした立場は去年11月パレスチナとイスラエルが達成したガザ地区での停戦合意が無効になることを意味しています。 (ジョウ)
|