中国最高国家権力機関である全国人民代表大会の年次会議は16日12日間にわたる幕を閉じました。閉幕前に、会議は「物権法」と「企業所得税法」の草案を可決すると共に、全国人民代表大会で審議、修正された後の政府活動報告を採択しました。
「物権法」は、中国の法律体系で中心的な役割を果たす重要な法律であり、公有と私有の物権を平等に保護し、中国の私有財産の保護制度を整備します。このほか、この法律は国有資産に対する保護を強化する同時に、農民の根本的利益を擁護することを求め、土地を収用した際の補償など国民の利益に密接にかかわる問題を適切に処理することになります。また、新しく可決された「企業所得税法」によりますと、中国は今までの異なる税率によって、国内企業と外資企業から所得税を徴収していましたが、このやり方を変え、25%の税率に統一しました。
この2つの法律草案が採択された後、全国人民代表大会常務委員会の呉邦国委員長は談話を発表し、「関連規則の制定を急ぎ、この2つの法の実施に十分な準備をして、適切に法の効果を発揮していきたい」と述べました。
大会で採択された政府活動報告によりますと、中国政府は都市部と農村部の住民の生活レベルの差を縮め、全国で農村最低生活保障制度を整備します。また、対外貿易での輸出超過が大きすぎる矛盾の緩和に力を入れると共に、国際収支のアンバランス状況を改善するため多くの面で措置を講じます。構造の最適化や、効率の向上、消費エネルギーの削減、環境保護に取り組んだ上で、今年の中国の経済成長の目標は8%前後に設定しています。
今年は、今期の全国人民代表の任期の最後の一年です。大会で採択された関連の決定によりますと、中国は来年1月に3000人を超えない範囲で新たな全国人民代表大会の代表を選出することになりましたが、絶えず多くなってくる出稼ぎ労働者の中から初めて全国人民代表大会の代表を選出するほか、婦人や労働者、農民の代表人数も増やすことにしています。また、香港とマカオの2つの特別行政区については、引き続き定員よりも候補者の数が多い選挙を実施する他、予備選挙は行わないということです。(翻訳:胡徳勝)
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