国連安全保障理事会は11日夜、イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラとの停戦実現を目指す決議案を全会一致で採択しました。
決議は、イスラエル軍とレバノンのヒズボラに「敵対行為の全面停止」を求めるとともに、レバノン政府軍の展開にあわせ、レバノンから軍隊を段階的に撤退するようイスラエルに要求しました。また、決議によると、レバノン政府軍を支援するため、国連のレバノン暫定軍を増強し、フランスが主導する1万5000人からなる国際部隊が派遣されます。さらに、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラに対して、国連が画定したレバノンとイスラエルの国境線・ブルーラインから20キロ離れたリタニ川より北の地域まで撤退することと、7月12日に拉致された2人のイスラエル軍兵士を無条件に釈放することを要求しています。
この決議案の採択を受け、中国の劉振民国連次席大使は、「これは、レバノンとイスラエルとの紛争に対して、政治による長期的な解決によい土台を造った。中国は、関係方面がこの決議を実行し、レバノンとイスラエルの平和と安定を目指して、政治による全面的かつ恒久的、公正な解決でいち早く合意するよう期待する」と述べました。
決議案が採択される前、レバノンとイスラエル政府はそれぞれ、この決議案を受け入れる意向を示しました。
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