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海抜が最も高い鉄道ーー青海チベット鉄道、開業
   2006-07-01 18:25:09    cri

      

 世界で海抜が最も高い鉄道ーー青海チベット鉄道が今日(7月1日)、開業を祝って、盛大な式典を行いました。

 1日午前11時ごろ、チベットに向う第一号の列車が青海省のゴルムドを出発しました。600人の乗客は、列車でチベットに入る第一陣です。駅前の広場には、青海チベット鉄道の設計者や建設者のほか、一般のゴルムドの市民も多く集まって式典に参加しました。

 胡錦涛国家主席もこの式典に出席し、次のように語りました。

「青海チベット鉄道を完成することは、数世代の中国人の夢だった。この鉄道の建設は中国が持つ総合的な国力や科学技術を試すものであり、人類自身の極限への挑戦でもある。今、数世代の中国人、特に鉄道沿線の各民族の人々の願いが叶った。青海チベット鉄道の完成は、中国鉄道建設史上の壮挙であり、世界鉄道建設史上の奇跡とも言えるだろう。」

 青海チベット鉄道は、東は青海省の省都・西寧から、西はチベット自治区の中心都市・ラサまでです。総延長は1956キロで、また、平均の海抜は4000メートル以上あります。ゴルムドの市民・17歳の楊増森さんは記者のインタビューに答えて、このように話してくれました。 

「チベットに行きたい。チベットの風景を楽しんで、ポダラ宮にも行ってみたい。それで自分の見識を広めることが出来るだろう。青海チベット鉄道の開通によって、ゴルムドの経済を更に発展させることができ、人々の収入も増え、ビジネスもやり易くなる」

 一方、ほぼ同じ時刻の1日午前11時ごろ、ラサから青海省のゴルムドに向う列車も出発しました。出来上がったばかりのラサ駅前の広場でチベット族の人々が歌と踊りで開業を祝いました。

 今年26才のザシさんは、これまで一度もチベットを離れたことはありませんでした。近いうちにこの列車に乗って外の世界へいってみたいと言っています。ザシさんは、「とてもうれしい。チベット以外のところに行って見たかったが、これまでは交通の便が悪かった。7月1日に鉄道が開通し、ずいぶん便利になる。商品の値段も安くなるだろう。これから時間を作って、上海や北京のような大都市に行ってみたい」

 いままでチベットに入るには車か飛行機しか利用できませんでした。青海チベット鉄道の開通は、チベット観光やビジネスに大きな発展のチャンスを提供してくれます。

 汽車に乗って、チベット観光をする楽しみが増えました。車窓から鉄道沿線の山や川、湖などだけではなく、運がよければチベットカモシカなど珍しい動物も見かけることができます。そして、世界で海抜が最も高い駅??タンゴラ山駅や12キロ近くの長さがある大橋、そして1686メートルの長さの崑崙山のトンネルなど、見所がいっぱいあります。

 青海チベット鉄道の建設工事を完成させるために、関係者はいろいろな難題を乗り越えました。長さ550キロに及ぶ凍土対策もその一つです。青海チベット鉄道の敷設工事を担当した樊衛勲さんは記者のインタビューに、「凍土が溶けないように、また鉄道の沈下を防ぐため、鉄道と凍土の間に小石をたくさん敷設した」と語りました。

「青海チベット高原では夏は暑く、日差しが直接凍土に当たれば、凍土が溶け、鉄道や橋の安全に影響する。このため、凍土の保護措置を講じた。凍土が溶けなければ、鉄道や橋の安全が確保できる」と語りました。

 また、青海チベット鉄道の建設者たちは厳しい自然環境にも直面しました。鉄道の工事現場では、最低気温は零下45度まで下がり、1年のうち100日から160日ぐらいは強風が吹きつける寒い天気です。このほか、高原では酸素不足が人々を悩ませました。世界で海抜が最も高い凍土のトンネル、風火山トンネルでは、酸素は平地の50%しかありません。酸素不足が工事で最も大きな問題となり、作業者を悩ませました。風火山トンネル建設チームのリーダーである任少強さんは記者のインタビューに、「高原では酸素不足がとても深刻だ。人間の動作が鈍くなり、現場に行く前からみんな悩んでいた」と語りました。

 酸素不足を解決するため、最初、作業者は酸素ビンを持ってトンネルに入り作業しましたが、重い酸素ビンが体力の消耗を招いたため、建設チームは新しい方法を探りました。風火山トンネルの建設指揮者である丁守全さんは 、「建設チームはトンネルの両端にそれぞれ一つ大きな酸素製造ステーションを設け、24時間絶えずトンネルの中に酸素を吹き込み、海抜の高いところでの酸素対策の空白を埋めた」と語りました。

 厳しい工事環境も建設者たちの情熱を衰えさせませんでした。青海チベット鉄道の沿線には、合わせて33ヶ所の野生動物専用通路が設置されています。ココシリ自然保護区ソナンダージェ保護ステーションの職員、チベット族のウェンガさんは、「僕たちは鉄道設計者に対して野生動物がよく通る場所を教え、そこに動物の通路を設けるように提案した。工事の初期は作業員が多かったため、動物が移動する時期になると、工事を2、3日中止して、チベットカモシカなどの動物の通過を待ってから、また工事を続けた」と語りました。

 青海チベット鉄道の建設では工事現場の自然環境を回復させることが厳しく要求されました。工事期間中の環境保護が重視されただけでなく、ある区間の鉄道建設が終わると、工事関連施設を徹底的に取り払い、もとの状態に戻しました。また、各種のゴミを回収して処理し、自然生態の原状を最大限に保護するように求められました。青海チベット鉄道の建設工事では生態環境の保護に14億元もの資金を投入しました。

 青海チベット鉄道はまるで一匹の龍のように、延々とチベットから東へ延びています。この鉄道はきっとチベットの人々に幸せな生活をもたらすでしょう。

鉄道
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