ベトナムのチャン・ドゥック・ ルオン国家主席、ファン・ヴァン・カイ首相、グエン・ヴァン・アン国会議長は24日、国会に辞表を提出しました。国家最高指導者として、3人の辞職はベトナム各界が国家幹部の低年齢化を求めるという要求に順応したものです。
報道によりますと、3人は辞表の中で、自分の職務を若くて能力の高い新しい指導者に引き渡したいとの考えを示しました。ベトナム共産党中央のノン・ドク・マイン総書記は24日の国会で、「3人の国家指導者は戦略的考えを持ち、実践を指導する経験を生かし、ベトナム共産党の路線や方針、国家の法律制定に積極的な貢献を捧げた」と評価しました。この日の午後、ベトナム国会では3人の辞表について投票が行われ、次期の国家主席や首相、国会議長を選びました。投票の結果は26日発表される予定です。
今回ベトナムの国家最高指導者グループの人事調整は予想中のことだと関係者は見ています。
今年4月に開かれたベトナム共産党第9期中央委員会第15回総会はベトナム共産党第10期中央委員会の全体的な資質、政治的基準などを定めました。これを踏まえてベトナム中央政治局は政治的資格、仕事の能力、年齢、身体状況などの条件に基づいて新しい指導者グループを選出しました。これまでの第9期中央委員会の中の中央委員は年齢のせいで、当選されなかったのです。例えば、69歳のチャン・ドゥック・ ルオン国家主席、72歳のファン・ヴァン・カイ首相、68歳のグエン・ヴァン・アン国会議長が中央委員の資格を失い、引き続き国家の最高指導者を担当することができず、辞職することは当たり前のことです。
また、ファン・ヴァン・カイ首相の辞職について、年齢のほかに、このほど摘発されたベトナム史上最大の汚職事件「交通省の巨額公金賭博」事件にも関わっていると見られています。
2005年12月13日、ベトナムの警察当局はこの賭博に参加した21人の容疑者を逮捕しました。その後の調査では、200人余りのベトナム交通省の職員がサッカーの賭博に参加したことが分かり、交通省インフラ施設建設管理部門のある責任者を逮捕しました。警察側の調査によりますと、この責任者は巨額の賄賂を受け取ってサッカーの賭博に参加したほか、外国の提供した政府開発援助(ODA)などの公金を使って高級車を購入したなど一連の犯罪行為が明らかにされました。
このスキャンダルは一時期ベトナム国内の焦点となり、ファン・ヴァン・カイ首相が辞職すれば、ベトナム政界が2002年から実施した腐敗事件や行政事故の問責制度の実施が強化されることにつながると見られています。そして、国会の代表はファン・ヴァン・カイ首相を何度も尋問し、首相としての職責を履行せず、交通省の腐敗事件に責任をとり、辞職すべきだと指摘しました。
20年間にわたる刷新と開放により、ベトナムでは社会が安定し、経済が持続的に成長し、綜合的国力が著しく向上し、人民の生活レベルが絶えず高まっています。しかし、2010年までに発展遅れの状況から抜き出し、2020年までにベトナムを現代化工業国家に築きあげるというベトナム共産党の目標を達成するには、まだまだ多くの困難を克服しなければなりません。特に、日増しに深刻化している政府関係者の腐敗問題はベトナム経済の発展を制約する要因の一つとなっています。
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