
5月30日から浙江省杭州市の余杭区で開かれていた「中国無形文化遺産保護フォーラム」が6月2日、閉幕しました。
このフォーラムは、中国芸術研究院、中国文化報、浙江省文化庁の共同主催によるもので、浙江省で中国が初めて迎える「文化遺産デー」のイベントの一つとして注目されました。
このフォーラムには、北京、上海、江蘇、河北、遼寧と浙江などからの専門家や学者100人あまりが参加しました。
フォーラム参加者たちは、無形文化遺産の保護と国家文化、無形文化遺産の保護における政府の主導的役割と社会各界の役割、無形文化遺産の保護と新しい農村作りなどについて話し合い、最後に、『中国の無形文化遺産保護に関する余杭宣言』を発表しました。
この『余杭宣言』では、「無形文化遺産は、その民族の個性の象徴であり、民族の団結と社会の安定維持にとっては重要なものである。経済のグローバル化と近代化、及び都市化が進む中で、中国の無形文化遺産はますます大きな衝撃を受けている。中華民族の根本的理念を守り、中国文化を発展させるため、社会全体が無形文化遺産を保護に尽力すべきだ」としています。
このフォーラムに参加した中国芸術研究院の李栄啓研究員は、中国の無形文化遺産の保護について、「切り紙や竜の提灯など民間芸術は、無形文化遺産の一部であり、その真の価値は製作に必要な高い技術とそれを作り上げる理念であることから、これら民間芸術を保護するには、継承者を大切にし、その影響を広げ、人々の暮らしや記憶にそれを残すことだ」と述べました。
また、中国民俗学学会の孫勤建理事長は、「我々はこれまで、文化財の保存などに力を入れてきたが、それだけでは、文化遺産の保護にはならない。これからは、中国文化の神髄を末永く伝えるため、これら文化財の背後にある中国の伝統文化と歴史を、子供や若い人たちに教え、これら文化財に直接触れる機会を作ることだ」と語りました。
(訳:斉鵬)
|