今年の2月から、少なくとも10回ぐらい黄砂が中国北部を席捲し、「砂嵐」と呼ばれるこの自然災害は、中国人の生活にひどい影響を及ぼしています。大きな経済損失をもたらしただけでなく、死傷者も出ました。『国連砂漠化防止公約』の中国側コーディネータを勤める中国国家林業局黄砂対策室の劉拓主任は20日、記者のインタビューに応じ、このように分析しています。「今年、黄砂が多い原因は主に二つある。そのひとつは、中国北部では今年気温が高く、雨が少ないことで、もうひとつは、シベリアからの寒気団が頻繁に侵入し、その侵入ルートには、広範囲にわたる砂漠やゴビがあり、その上に、モンゴル低気圧の作用によって、砂嵐の発生回数と強さはいずれも増している」としています。
国外に黄砂源が存在しているため、中国では砂嵐を完全に防止することは不可能です。中国は現在、黄砂源を減少するため、地表の植生を増やしたりして積極的に対策を講じています。しかし、砂嵐が国境なき自然災害で、それを防止するには、国際的な協力が必要です。劉拓主任は、これについて、「黄砂防止の措置は、次のいくつかがある。法に依って黄砂防止対策をとり、むやみな伐採や放牧、開墾を厳禁し、自然の植生を回復すること;対象地域の植生カバー率を増やすこと;国際的協力を強め、海外の資金と技術を導入して、ともに黄砂対策活動に取り組むことなどである。」と述べました。
今、2008年北京オリンピックの開催まで、あと二年四ヶ月しか残っていませんが、年々吹き荒れる砂嵐がオリンピックに影響を与えるのかと、たくさんの人は懸念を示しています。これに対して、劉拓主任は、砂嵐はオリンピックに影響せず、中国が打ち出した「グリーンオリンピック」の理念は必ず実現できるものと、自信を示しました。その理由について劉拓主任は、「オリンピックの開会は8月で、北京で砂嵐発生の季節ではない。たとえ2008年の春に、今年と同じ気候条件でも、黄砂は今回より少ないと思う。その理由は、ここ数年の防止対策により、植生が回復され、環境も改善されたからだ」と語りました。
もちろん、中国の黄砂防止計画は、オリンピックの開催だけではなく、さらに長期的な防止計画に目を向けています。劉拓主任は、この長期的計画について、「2010年までに、砂漠化した土地の拡大を食い止め、2020年になると、砂漠化した土地の半分ぐらいを整備し、さらに、2050年には、砂漠化したほとんどの土地を整備し、砂漠地区の生態を効果的に保護する」としています。
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