中国国務院報道弁公室が11日、北京で記者会見を行い、六つの機関からの高官は、中国が知的所有権の保護で収めた成果を紹介しました。高官らは、アメリカがこのほど中国の知的所有権政策を非難したことに反駁しました。
今年に入ってから、アメリカは米中貿易の入超問題を解決するよう中国に圧力をかけています。知的所有権問題はアメリカがもっとも不満を抱く分野です。アメリカ側は、中国国内の海賊版のソフトや音声製品、偽のブランド品により、アメリカの企業が毎年、数十億ドルの損失を蒙っていると指摘しています。現地時間の11日午前、中米両国の高官は、ワシントンで年度貿易会談を行い、知的所有権問題が重要なテーマとなりました。
この会談に先立って、中国商務省、商工総局、報道出版署、日本の最高裁判所にあたる最高人民法院など六つの機関は、共同記者会見を行い、中国の知的所有権保護の進展を紹介し、アメリカの非難に反駁しました。
その席上、中国商務省の姜増偉次官は、「中国は、知的所有権の司法保護に力を入れており、知的所有権侵害の犯罪行為を取り締まっている」と述べ、また、「中国の中級以上の人民法院では、知的所有権審判法廷が設けられている。2005年、全国の法院が受理した知的所有権侵害案件は、2004年より27.9%増え、3567件に達した。これは、中国の知的所有権の刑事司法保護が著しい効果を収めたことを表している」と語りました。
この1年半に、いままで実施してきた行政手段で知的所有権を保護することにかわり、法律で知的所有権侵害案件を処理するようになりました。姜増偉次官は、さらに、「中国は、WTO・世界貿易機関に加入した時、知的所有権保護において約束したことを厳格に履行している。中国政府は、知的所有権に関して、アメリカやEU・欧州連合、日本などと意思疎通のルートが開通していると同時に、関係国に知的所有権に関する情報を提供している」と強調しました。
11日の記者会見で、中国の薄熙来商務相は、「アメリカから中国への輸出製品の中で、ハイテク製品や知的所有権のある製品の比率はかなり低いものだ。中米の貿易不均衡の原因は、知的所有権問題にあるのでななく、むしろ、アメリカの中国に対してハイテク製品の輸出規制にあるといえるだろう」と述べました。
薄熙来商務相は、また、「中国は圧力を受けて、知的所有権の保護に力を入れているのではなく、自らの発展の需要である。向う15年内で、革新的な国に変身するのを目標としている。知的所有権の保護は、中国の基本的な政策となっている」とした上で、「国民の教育のレベルはまだ高くないので、知的所有権保護は、時間がかかると思う。中国は、アメリカやEUなどと協力して、先進国の経験を参考にして、知的所有権保護を推し進めていきたい」と語りました。
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