3月23日は「世界気象デー」に当たりますが、WMO・世界気象機関は1960年に、毎年の3月23日を「世界気象デー」に定めてから、46年間経ちました。今年の「世界気象デー」のテーマは、「自然災害の予防と軽減」と決まりました。このテーマが打ち出されたのは、自然災害の90%は気候と洪水、津波などに関連しているほか、ここ数年来、自然災害による危害が、各国の持続的可能な発展にマイナス面の影響を大きく与えているからです。
2005年、アフリカ、ヨーロッパ、アジアなどの一部の国々やオーストラリアとブラジルの一部の地区では、旱魃に見舞われ、そのうち、マライウェの旱魃は10年来最も深刻なものとなりました。このほか、一部の国ではめったにない大洪水に見舞われたこと、大西洋の海上に発生したハリケーンの数は史上最高の記録を更新したこと、北極地区上空のオゾン層空洞は引き続き拡大したのに対し、南極上空のオゾン層空洞の面積の大きさは史上三番目となったことなどが特徴でした。2004年年末に発生したインド洋の地震と津波はその被害状況が史上でもめったにないものだと言えるでしょう。1992年から2001年までの10年間、様々な自然災害がありましたが、20億人の被害人口が出て、62万2千人が死亡し、災害による損失は4460億ドルにのぼり、この期間中の全ての自然災害による損失総額の65%を占めました。
世界気象機関の関係統計によりますと、過去の数十年、自然災害による各国経済へのマイナスの影響が明らかに大きくなり、発展途上国、特に最も立ち遅れている国家の被害状況はもっと深刻です。中には社会経済発展のレベルが数十年間後退した国もあります。こうした厳しい状況に直面して、世界気象機関は自然災害の予防と軽減は持続的な発展を実現するための重要な鍵だと考えています。
世界気象機関は、全ての自然災害を避けるには無理ですが、初期の予報作業を展開し、効果的な災害予防措置をとりさえすれば、災害による人員の死傷と経済面の損失を大いに軽くすることができるとみなしています。完全な初期予告システムを樹立し、正しい情報を即時に被害の恐れがある人々に通報することは、災害の予防と減少の基本的な前提だと見られています。
世界気象機関は三つの全世界範囲の気象センターと40の地域範囲の専門気象センターを有し、観測、探測、予測及び竜巻、暴雨、旱魃などの災害の警告を行っています。このほか、世界気象機関は熱帯大気の運動を観測するネットワークを樹立し、これは初期のハリケーンと台風の予測に効き目があります。
また、発展途上国へ関係技術を譲渡したり、災害予防の政策を前もって制定するよう各国政府に呼びかけたりして、それなりの貢献を果たしています。
世界気象機関のジャラド事務局長は、今後15年間、各国政府と他のパートナーとの協力を通じて、まず洪水や水害など水に係わる気象災害の死亡者数を半減するようにするとの態度を示しました。
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