毎年の三月に開かれる両会議ーー全国人民代表大会と全国政治協商会議が全国から熱い視線を集めています。会議の期間中、全人代代表と政治協商会議の委員たちは、政府活動を監督し、国の発展方向などについてアドバイスすると共に、社会発展での重要問題をめぐって踏み込んだ討議を行いますが、今日のこの時間は、今年の会議で提出される議題、つまり人々がもっとも関心によせる問題をご紹介いたしましょう。
この二つの会議では、国民経済と社会発展についての第11次五ヵ年計画の綱要の討議が重点となっています。中国社会科学院経済所の韓孟研究員は当放送局のインタビューに答え、「私がもっとも注目しているのは、第11次五ヵ年計画だ」と答えた上で、「私は、11次五ヵ年計画の具体的な内容のほか、経済の成長様式や経済構造の改革、国民経済の発展と成長、法的な保障などに注目している」と話しました。
経済学者である韓孟研究員は、また、「中国政府は、人を最優先にして、経済成長の様式を転換させ、環境を改善し、発展の質を高めていく政策などを講じている。これは、高い見地に立った上での政策だ。経済建設を中心に、発展と改革を通じて前進途上で現れた問題を解決し、経済と社会の発展を調和の取れた持続的な発展の軌道に乗せるよう政府に希望する」と述べました。
さて、「三農問題」、つまり農村、農民、農業の問題も今回の二つの会議の重点で、政府はこれをめぐって、新しい農村を建設する政策を打ち出しました。四川省からきた傅志康代表は、「新しい農村建設が成功するかどうかは、農民が実際の利益を得られるかどうか、最も関心をよせている直接の利益にかかわる問題を解決できるかどうかにかかっている」と話しました。傅志康代表は、さらに「会議で、私は、農業への総合的投資、特に山や川、耕地、森林、道路に関するインフラ整備への投資額を増やし、農村の食糧増産や農民の収入増加に条件を作っていくよう政府に提案する」と話してくれました。
ところで、民生問題の解決は、今回の二つ会議の焦点となっており、教育費や医療費などは、庶民の生活に深く関わっています。インタビューに答えてくれた李文さんは、西北部の甘粛省蘭州市の定年退職した人で、彼のお孫さんは村の小学校に通っています。今年の春から、お孫さんの学費は要らなくなるそうですが、農村の小学校の学費免除という政策に賛成する李さんは、「関係部門は、これら国の政策の実施状況をよく調べ、その実施をより確実にしていくべきだ」と話しました。
また、河南省の農民葛国良さんは、「治療費がたかい」として「もっとも関心しているのは、農民の医療問題です。農民に配慮を寄せ、地方の診療設備の建設に力を入れるよう政府に希望しています。そうすれば、病気にかかっても大都市に行かなくても済み、治療費もそう高くなくなるだろう」と話していました。
農民の医療問題について、政治協商会議の楊利霞委員は「私の提案とは、医療保険のない人々の医療問題を解決するため、すべての公民が医療保障を享有できるシステムを確立することだ」と語っていました。
各メディアの調査によると、省エネや環境問題、腐敗摘発なども会議の焦点となっているということです。
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