この12日、一部の国や国際機関の代表は北京で開かれた対中国援助に関する会議で、国際社会が引き続き様々な形で対中援助を展開し、中国経済と社会の発展を促していく姿勢を示しました。

　今回の対中援助についての会議で、ドイツの中国駐在大使館のハース経済発展協力担当公使は「ここ数年、中国は経済面の高度成長を遂げたものの、依然発展途上国で、エネルギー利用と環境保全などの面で多くの問題を抱えているので、ドイツは引き続き対中援助を提供していくつもりだ」と話した上で、また、「中国は経済成長の目標を実現するには十分なエネルギーが必要だが、中国のエネルギー消費率は西側国家よりかなり高い。今後、ドイツはエネルギーを効率よく利用する面で協力を進めたい」との考えをしめしました。

　現在、ドイツは中国を無償援助の重点対象国としており、協力プロジェクトは資源利用、環境保全、農業、交通、医療衛生、就職技能の養成などの分野に及んでいます。

　ユニセフ・国連児童基金も対中援助を継続する姿勢を示し、これから5年間の対中援助計画を作成しました。この機関のホッジス対外援助担当は「これからの5年間、ユニセフは中国に約1億ドルの援助を提供し、中国の子供の生存権利の保護、エイズによる女性と子供への影響の削減、政府サービス機能の向上など面の進展に援助することを願っている」と話しました。

　このほか、ノルウェー、カナダとオーストラリアなどの国の代表も、対中援助は中国の経済と社会の発展にプラスとなるばかりでなく、援助を提供する国や国際機関と中国の交流と協力を促すことにも有益だと評価しています。

　中国は1979年から、国際社会の無償援助を受け入れ、これまで、受け入れた無償援助は58億ドルに達しています。これら無償援助は中国の貧困撲滅や災害救済、環境保全、エイズの予防と治療などの面で積極的な役割を果たしてきました。

　中国商務省の易小準次官は「過去数年来国際社会からの対中援助を高く評価すると共に、ここ数年来、中国の年平均経済成長率が9％近く伸び、GDPも世界6位にランクインされたが、数多くの面で国際社会からの援助を必要とする」とした上で、更に、「全体からいうと、中国は世界的に見ると、まだ中低収入の発展途上国で、一人当たりの平均収入レベルでは世界の100位にもなっていない。貧困問題のほかに、中国は多くの問題とチャレンジに直面している。例えば、都市部と農村部の発展のアンバランス、就職難、自主的創造力の欠乏、成長モデルは依然大まかであることなどが上げられます。これら問題の解決には引き続き国際社会からの支持と協力を必要とする。」と中国の現状を語りました。

　更に、易小準次官は「中国の発展プロセスで、国際援助は依然ほかのルートに取って代わることのできない役割を果たしている。中国政府はあらゆる友好国家と国際機関が引き続き中国で幅広い協力プロジェクトを展開することを歓迎する。」との中国政府の考えを示しました。