朝日新聞は1日「アジア外交が心配だ」と題する社説を発表し、小泉改造内閣後のアジア外交に憂慮を示しています。
社説は、小泉首相が改革を継続する決意をよく伝えています。しかし、不安になるのは外交の布陣であり、これでアジア外交は立て直せるのか、大きな懸念を抱かざる得ないとしています。
小泉首相の靖国神社参拝で中国や韓国との関係はこじれています。この正面にたつ外相にポスト小泉の一人、麻生前総務大臣を横滑りさせました。2003年、政調会長時代の講演で、麻生氏は日本が韓国を植民地にしていたときの「創氏改名」について、朝鮮の人々が望んだかのような発言をして、韓国などの批判を浴びました。その後、陳謝したものの「真意が伝わらなかった」と発言の撤回はしませんでした。この夏の月刊誌のインタビューでは、もし首相になった場合、靖国参拝をするかと聞かれたのに対し、麻生氏は「中国や韓国にいくら言われても、泰然自若と参拝する」と述べました。今後はもっと慎重な発言になるかもしれません。しかし、朝日新聞は、近隣諸国とのとげとげしい関係を修復する役回りにふさわしい人選とは思えないと指摘しました。
社説はさらに、もう一人のポスト小泉の安部前幹事長代理は官房長官になりました。最初の記者会見で、自らの靖国神社参拝について「国民の一人として、政治家として参拝してきた。今までの気持ちをこのまま持ち続けたい」と今後も靖国参拝を続ける可能性を示した。その一方で、この人事から外れたポスト小泉もいる。中国との関係を重視し、首相の靖国参拝に批判的だった福田元官房長官だ。としています。
社説は最後に、小泉首相は国内では改革継続の旗を振り、アジア外交の停滞には目をつぶり続けるだろう。その痛手の深さが心配であるとの配慮を示しました。
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