超大型ハリケーン「カトリーナ」の被害を受け、アメリカのルイジアナ州ニューオーリンズでは一時混乱状態に陥り、数万人の市民が避難民となっています。

　こうした史上最悪の天災に対応し、アメリカ政府は緊急措置を取り、罹災住民への救援活動を展開しています。

　ニューオーリンズでは避難民が脱出し、都市は平静を取り戻しています。

　史上有数の超大型ハリケーン「カトリーナ」は８月２５日アメリカ南部に上陸し、２９日までにメキシコ湾沿岸のルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ三州を直撃しました。

　「カトリーナ」の被害で少なくとも数千人が死亡し、数十万人は避難民となっています。

　メキシコ湾沿海のニューオーリンズ市は被害が最も深刻で、都市の８０％が浸水し、６万ないし８万人が移動できず、混乱が発生しました。

　こうした情勢に応じ、ブッシュ大統領は８月２９日、ルイジアナとミシシッピ両州における非常事態を宣言しました。８月３１日、ブッシュ大統領は国土安全省のチャートフ長官を指揮に当たらせ、閣僚級の対策本部を設置し、ハリケーン被害による原油供給不足に対応するため、戦略石油備蓄の緊急放出を発表しました。今月２日、ブッシュ大統領は専用機で被害地域を視察しました。

　アメリカ議会は２日、被災者救済用の緊急予算１０５億ドルを可決し、政府は１１２００人の部隊を罹災地に派遣し、３万人の州兵が救援作業を展開しており、７２００人の州兵と海兵隊員が増派されています。海軍は空母、大型病院船を含め、１０隻の艦船を出動させました。避難民の脱出移送で連邦緊急事態管理庁はアメリカ全域で２０００台以上のバスを調達しています。治安維持で１４００人の州兵がニューオーリンズに駐留し、３日夜までに４万２００人の避難民が無事脱出しています。

　ニューオーリンズ西部テキサス州のヒューストンではルイジアナ州からの罹災民２４万人が避難しており、ニューオーリンズからの避難民が主体です。ヒューストン市は避難民の受け入れに全力をあげています。９月の新学期を迎え、被害地域から６０００人ないし８０００人の小中高生がヒューストンで勉強を続けていく予定です。

　テキサス州のベリー知事はルイジアナ州避難民の受け入れを拡大するよう周辺州の知事に求めています。