第16回中米商業貿易合同委員会は11日北京で開かれました。双方は、知的所有権保護や農業協力、貿易投資促進など一連の分野で合意に達したものの、最も解決が困難な繊維製品貿易について双方の交渉は実質的な進展を遂げることはできませんでした。
11日の会議では、中米双方は、知的所有権を侵す国際的犯罪行為を取り締まるための協力メカニズムや、映画版権保護協力のメカニズム、証券監督管理機構の対話メカニズムを設けることや、商業貿易合同委員会のメカニズムの下で観光協力作業グループを設けることで合意しました。
それによりますと、中国側は、知的所有権侵犯行為に対し刑事的処罰を強化すると同時に、アメリカからのソフトウェア輸入に対する規制を緩和し、農業分野の両国協力を促進していきます。このほか、双方は、中国市場の経済的地位や、貿易投資促進などの議題についての交渉で進展を遂げました。
中国の呉儀副首相は会議後の晩餐会で、今回の成果を高く評価し、「第16回中米商業貿易合同委員会で、双方は共に注目する問題について突っ込んで意見交換を行い、多くのことで合意に達した。これは中米経済貿易関係の建設と発展にとって重要な意義を持つ。当面、中米両国の貿易関係がもっとも良い時期にある。両国政府はこの趨勢を保つために努力している。今回会議で少なからぬ成果を収めたが、これは、中米商業貿易合同委員会が交渉の良い場であり、両国経済貿易協力の良いメカニズムであることを裏付けている」と述べました。
今回の会議では、中米双方が、ずっと注目している人民元の為替レート問題に触れておらず、また、アメリカ側がそのうちに中国の繊維製品に対し、セーフガード・緊急輸入制限措置をスタートさせることについても実質的な進展を遂げませんでした。
アメリカのグティエレス商務長官は会議後記者会見し、繊維製品貿易について中国との交渉を続けていくと表明し、さらに「繊維製品貿易の問題の解決で双方は依然と交渉期間にある。中米双方の政府関係者は会議期間中協議を行った。これからもこうした会議をまた開く。双方はともに、繊維製品貿易について交渉しようとする意欲を示している」と述べました。
これと同時に、アメリカ側は、「これからは繊維製品に対するセーフガードの発動について慎重な姿勢をとっていく」と表明しています。
伝えられるところによりますと、繊維製品貿易の割り当て制度が今年に取り消しになりましたが、アメリカは、中国の対米繊維製品輸出が国内市場を乱したことを理由に、7種の中国製繊維製品に対しセーフガードを発動しました。中国は、「こうしたやり方には根拠がなく、自由貿易の原則に背いており、中米貿易の発展を妨げている」とアメリカを非難しています。
同様の貿易争いを解決するため、中国とEUはこのほど協議した結果、EUがセーフガードを発動しない代わりに、中国側は自主的に繊維製品輸出を規制する措置を講じることになっています。これがきっかけで、中国は、アメリカと繊維製品貿易協定を締結できることを望んでいます。
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