四日間にわたる6・15『北南共同宣言』の発表5周年を祝う祝賀活動が14日夜、朝鮮の首都・ピョンヤンで開幕しました。当日夜、キム・ジョンイルスタジアムで、10万人余りの朝鮮、韓国及び海外からの代表が朝鮮半島の歴史において重要な意味を持つこの日を記念しました。
2000年6月15日、朝鮮の最高指導者・キムジョンイル主席と当時のキムデジュン韓国大統領とは3日間にわたる会合を終え、『北南共同宣言』を発表しました。半世紀にわたる分裂状態が続いてきた韓国と朝鮮双方にとって、これは歴史的意義のある出来事でした。両国元首は始めて首脳会談を実現しただけでなく、元首の名で双方の関係に重要な影響を与える文書を初めて発表したことになります。『北南共同宣言』の中で、双方は自主的な統一原則を確立し、離散家族の団らんや、経済協力を通して、民族経済の均衡の取れた発展をはかり、社会、文化、スポーツ等の分野での交流と協力での共通認識を確認しあいました。これにより、それまで敵対状態だった朝鮮と韓国双方は和解と協力のプロセスをたどるようになりました。
それ以降の5年来、朝鮮と韓国双方は和解と協力を図る道のりで一連の着実な成果を勝ち取りました。先ず、双方の対話の勢いがかつてないほどに増強されました。両国政府はこれまでに14回の閣僚級会談、10回余りの経済協力促進委員会の会談、1回の国防相会談と2回の将軍レベル会談を行ったほか、数多くの接触と会合が開催され、政治、経済、軍事などの分野での協力について数多くの協議を達成しました。
次に、双方の協力がかなりの進展を成し遂げたことです。たとえば、朝鮮と韓国との協力によるケソン工業団地は設立から現在までに、すでに15社の韓国企業が進出し、操業を始めました。朝鮮のクムガンサン観光は早くも両国の首脳会談の前に開発されたものの、大きな進展を成し遂げたのはそれ以降のことになります。現在、クムガンサン観光に訪れる韓国人はすでに100万人を突破しました。朝鮮と韓国の元首が会談した後、半島の北と南をつなぐ京義(けいぎ)鉄道の修復工事が着工され、現在すでに完了しました。この鉄道の開通は半島の統一に極めて象徴的意義を持っており、双方の経済協力にも実質的な影響を及ぼしています。
『北南共同宣言』で達成された共通認識によりますと、これまでの5年間で、1万人近くの朝鮮と韓国の離散家族が半世紀後ぶりに団らんを実現しました。双方における文化、スポーツ、メディア、宗教などでの人員往来はこれまで延べ10万人を突破しました。対話、交流と協力の勢いが増強され、双方の敵対ムードが徐々に緩和されています。
しかし、その一方で、制度の違いや、長期にわたった分裂による猜疑心や理念の不一致などから、朝鮮と韓国のこれまでの5年間における和解と協力プロセスは決して順風満帆なものでもありませんでした。先月、次官級事務会談が行われるまで、朝鮮と韓国の政府間対話は10ヶ月にわたり、全面的に停滞状態に陥っていました。
法的な視点から見れば、朝鮮半島は今に至ってもなお依然として停戦状態のままであり、非平和的な状態が続いています。ここは世界的に見ても、冷戦の構図が引き続き継続されている唯一の地方です。アメリカが韓国での軍事駐屯、朝米関係の長期にわたる敵対状態が朝鮮、韓国関係の発展を大きく制約しています。朝鮮半島の核問題の解決が長引いていることも、朝鮮と韓国の和解、協力に消極的な影響をもたらしています。
朝鮮・韓国関係が過去5年間で勝ち取った成果は、和解と協力を図ることがすでに人心と大勢の赴くところであることを物語っています。双方の和解と協力プロセスは曲折があるものの、依然として前進し、希望に満ちています。双方が『北南共同宣言』の原則を確実に遵守し、誠意と忍耐力を持ち、知恵を発揮し、対話により相互信頼と協力を行っていけば、障害を排除して最終的に半島の統一が実現されるに違いありません。
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