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上海万博日本産業館館長 秋岡栄子さん

2010-10-28 12:31:43     cri    

全地球の美好生活、日中が一緒に考えよう

 























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 180日間続いた上海万博は、閉幕に向けていよいよカウントダウンが始まりました。日本からの単独パビリオンには日本館と日本産業館がありますが、これまでのところ、来場者はいずれも延べ500万人を越えています。
 日本産業館の500人のスタッフをを率いるのは、女性館長の秋岡栄子さんです。百余りある上海万博のパビリオンでたった3人しかいない女性館長の一人でもあります。
 小学校時代(1968~1970年)、新聞記者の父親と一緒に北京で生活したことがあり、一橋大学を卒業後、日本長期信用銀行経済調査部に入り、中国出張を重ねていました。2007年、出展準備を始めた日本産業館の事務局長に任命された秋岡さんの上海万博とのかかわりは、1984年に遡ります。その年、大阪万博の企画と実施に携わった堺屋太一氏は、当時の上海市長・汪道涵氏を表敬訪問し、上海市に万博誘致を勧めましたが、その場に秋岡さんが同席していました。
 これまでの中国の変化をこの目で見、この身で体験してきた秋岡さん、万博が閉幕する直前、これまでの180日あまりをどのように総括しているのか、万博サイトでインタビューしました。

■ 来場者500万人突破 最後までベストを尽くす

―― いよいよエンディングに近づいてきた上海万博。ほんとに半年間、お疲れ様でした。

 本当に中国の方にお世話になりました。残り一日一日を大切にしていきたいと思います。これは184日間、全部のスタッフに言い続けて来たことですが、私たちにとっては残り何日の万博だと数えていますが、万博にお見えに下さるお客様にとっては、その日が初めての万博見学であり、ただ一日の万博見学なので、「すべての日がベストであるように頑張りましょう」とスタッフに話しています。
 10月31日、最後の一人のお客様まですべてのお客様が「日本産業館、楽しかった」とおしゃっていただけるよう、最後の最後までが私たちは努力していきます。

――これまでの延べ来場者数は?

 約500万人です。日本産業館では、4分間に70人ずつご入館いただくシステムをとっていますので、実際にパビリオンの中に入って展示をご覧いただく人数は1万2500人前後で、これがもう朝から晩まで満杯の状態になっています。
 おかげ様で、5月1日の開館以来毎日、朝から晩まで満杯の状態ですので、ご入館いただける方は一日1万2500人前後ですが、館外に設置したお店で買い物を楽しまれるお客様も加えると、一日に延べ2~3万人のお客様をお迎えしたことになっています。

■「日中が一緒に考えて行こう」

――今回の日本産業館テーマは「日本の作るより良い暮らし」ですが、中国の社会や人々に一番伝えたいメッセージは?

 日本産業館では、私たちは展示をする側、中国の方たちは展示を見る側ということで、全然違う側に立っているように思われますが、展示をしている側も、見てくださる側もひとつのテーマに取り込んでいるということでは一緒なわけです。今回の万博出展を通じで、私たちは中国の人たちと地球のことや、日本と中国のことを一緒に考えていくというスタンスをこれからもずっと大切にしていきたいと思います。

――日本産業館は高度成長期に入った中国社会に対して、どのような影響力を発揮してほしいとお考えですか?

 私たちの唱える「日本のつくるよい暮らし」は、必ずしも経済的レベルの向上だけを指していません。日本産業館のキャッチフレーズは「きれい、可愛い、気持ちいい」で、これは色んなニュアンスを含んでいる言葉です。高い商品を買うとかということよりも、毎日の暮らしの中に喜びや満足を見つけ、人と人とのつながりのやさしさを求めていくという考え方が込められているのです。これは、中国が今回、上海万博を通して提案している「美好生活」というものでもあると思っています。
 中国はこれからもどんどん成長していくと思いますが、その中で、今成長している国の人も、後から成長していく国の人たちも、そして、すでにある程度の成長を終えた国の人たちも皆が全部ハッピーになれるような折り合いのつけ方、暮らしの立て方がこの上海万博から生まれてくるんだなと手ごたえを感じています。

――GDPよりも人にやさしく、心のゆとりのある生活が送れるようにという願いが込められているのですね。

 経済的には、ある程度のGDPの水準を持つことや、社会のインフラ整備ももちろん必要なことですが、そればかりではないということ。そして、そればかりを求めてしまうと、「誰かがハッピーだけど、誰かがアンハッピーだ」になりがちなので、すばらしいと思える生活とは何かというのを上海万博をきっかけに全地球の人が一緒に考えていくということが、大変必要だという風に考えています。

■高度成長の中国 「美好生活」の実践を

――今回の上海万博は色んな意味で、大阪万博と比較させて見られたりしていますが、大阪万博にも秋岡さんは行かれたようですね。

 はい。その時はまだ中学生でした。大阪万博の時の大阪は、今の上海と比べるとまだまだ国際化していない時だったんですね。だから、大阪万博に行って、テレビではなく、初めて本当に歩いたり、しゃべっている外国の人を見たという経験が大阪万博ですね。大阪万博の時の日本は、それこそ高度成長期にでもいるような勢いでしたけど、今回上海万博に来て、当時、自分がちょうど中学生で、やはりあの時でも3時間待ちぐらいしていたパビリオンがあり、そこに一生懸命並んだこととかを思い出して、やっぱり元気のある国は忍耐力のある国だとそんな風に感じています。

――秋岡さんは昔の中国もよくご存知なだけに、今の中国を見ると非常に考え深いことがあるのでしょうか?

 この何十年間の中国の成長はたいへん目覚しくて、万国博覧会の開催は世界が中国にやってくることを意味しています。中国の方たちが世界各国の人々と一緒に仕事をし、色々な海外の異なった文化やビジネスの習慣を乗り越えながら、時に議論をしながら、上海万博という世界の祭りを作り上げてきたわけです。中国はそういうすばらしい国、大きな国になったということを私もとても誇りに思っています。

――上海万博というビッグイベントはまもなく幕が閉じますが、これからも高度成長が続くだろう中国に対して、万博の閉幕後、一番期待していることは何ですか。

 万博博覧会を通じで、上海の人、中国の人もいろんな新しい出会いがあったと思います。びっくりしたこと、逆にやっぱり中国はすごいな、と誇りに思ったこと、それぞれたくさんあると思うのですが、そういうことを生かして、また一つステップアップした新しい中国の文明や文化、そしてこの万博で皆さんが提案した「美好生活」をぜひ実践していただきたいと思っています。

■互いの良さを生かし、新しい文化を作り上げよう 

――総取りまとめ役の館長として、一番苦労したのはどんなことですか?

 日本産業館は500人のスタッフがいます。中でも40人の事務局スタッフには、中国人もいれば、日本人もいます。公用語は日本語と中国語の両方を使い、中国語の分からない日本人もいれば、日本語の分からない中国人もいますが、とにかく日本産業館を成功させよう、ということが一番の目標でした。
 「成功する」って何?それは中国の人に喜んでもらうこと、184日間の最後の最後まで事故を起こさないこと、安全なパビリオンであること、こういう目標を皆が持っていって、ここに心を一つにすることができました。なので、私は苦労をしたというよりも特に事務局の40人のスタッフには支えられて、今日ここまでできて本当に感謝をしています。

――日本と中国の双方のことをよくご存知の秋岡さんですが、今後、日本と中国の関係発展に寄せる期待をお聞かせください。

 これから日本と中国は、日本と中国ということでビジネスの面で線を引くというよりも、日本の会社にも中国の方がたくさんいらっしゃいますし、これから日本と中国は特に民間交流、あるいはビジネスという点では一体となって、クロスボーダー化をして、一緒に何か作っていく。日本の文化があり、中国の文化がありますが、日中が一緒に作り上げた文化というものが生まれてくると思います。
 私たち日本産業館は事務局に中国の人、日本の人がそれぞれいますが、私たち事務局皆で言ってきたのは、「私たちは日本のやり方でもない、中国のやり方でもない、皆で考えた日本産業館の仕事のやり方を作って行こう」と言って、この184日間を頑張ってきていますので、そういうことが万博の中だけではなく、広く日中のビジネス、民間交流に浸透し、それぞれの良い所を結び付けたやり方の文化が生まれてくることを期待しています。お互いに良いところを学びながら取り入れていくということです。

――上海万博での出展を通して、今後の中日の関係発展に対してヒントになったものは。

 今回の展示期間中、日本産業館は日中間の政治的な動きとは関係なく、平穏な日々が保たれてきました。今回のことを通して、将来、もし日本と中国の国と国の間に何か摩擦が起こっても、日本の人と中国の人は、人間同士の付き合いでは変わらぬ友情と結び付きを保っていけると思いますし、保っていきたいという自信と期待を強くすることができました。

■終わりはしない 絆はいつまでも

――万博終了後、日本産業館の行方は?

 やはり万博は184日間のイベントで、「聖なる一回性」という風に良く言われますけど、184日間で燃えつきて無くなるからこそ、いろんな挑戦ができるというのが万国博覧会だと思います。日本産業館は10月31日に閉館したら、その深夜からすぐに撤去作業に取り掛かります。ご覧になりたいと思ってくださってる方は、開幕中にぜひいらっしゃってください。

――閉館の際、スタッフの皆さんに贈る言葉は何ですか?

 日本産業館は閉館しますけど、みんなはいつまでもずっと仲間なので、お別れの挨拶はしません。皆に本当に「ありがとう」と言いたいです。(聞き手:王小燕、整理:王帥、王小燕)

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