8月8日の開会式で、今回の北京五輪の公式テーマソングが初めて披露されました。中国の国民的歌手・劉歓(リウ・ホアン)と世界の歌姫・サラ・ブライトマンがデュエットする「我和イ尓(you and me)」という曲です。
世界の子供たちの笑顔がプリントされた無数の傘が開かれる中、曲のイントロが始まりました。中央の、地球をイメージした巨大な球体の上に、劉歓とサラ・ブライトマンが現れると、場内からは大きな歓声が沸き起こりました。しなやかでやさしいメロディに、観客たちは心を打たれていました。これまでオリンピックのテーマソングと言えば躍動感あふれるものが主流でしたが、この歌は異色のテーマソングと言えます。
テーマソング歌手に選ばれたリウ・ホアンは、1963年天津市生まれ。中国を代表する男性歌手です。「本当に興奮した。こんな素晴らしい体験をさせていただいて、この上なく光栄である。今回のテーマソングは穏やかでしっとりとした曲なので、これまでと違うような歌い方で表現してみた。世界平和をモチーフにした、オリンピックの理念にふさわしい曲だと思う」と、テーマソングを担当した感想を本人はこのように話しています。
公式テーマソング決定までの道のりは非常に長いものでした。2003年4月から一般公募を開始し、水面下で選考活動が着々と行われてきました。五輪開幕100日前に発表されるという話もありましたが、曲の選考は難航を極め、最終的には開幕直前に発表されることとなりました。
「我和イ尓(you and me)」が公式テーマソングに選ばれた理由について、北京五輪開会式の副監督を務めた陳維亜(チェン・ウェイヤー)は「このテーマソングは、開会式のクライマックスで歌われた。今回の開会式を通じて、中国人の平和を愛する気持ちを世界の人々に伝えたかった。その上で、この歌は大きな役割を果たした。歌に合わせた演出も、ロマンチックなものにした。私たちにとっては新たな試みでしたが、思いをきちんと表現できたと思う」と語りました。
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