2005年10月にデビューしたばかりの新人歌手。歌手を目指し、いろいろなタレントオーディションに出場していたところ、レコード会社にスカウトされ、デビューのチャンスをつかんだということです。
彼女のデビューシングルは「我是超級女声(私はスーパー女性ボーカリスト)」というタイトルになっています。中国のアイドルオーディション番組で「超級女声(スーパー女性ボーカリスト)」というのがあります。実は、彼女、その「超級女声(スーパー女性ボーカリスト)」の2005年大会に出場していたのですが、残念ながら入賞は逃していました。2005年大会はものすごく話題になった大会で、優勝者の李宇春をはじめとする上位5名の入賞者が、そろいもそろっていまやトップアイドルに成長しています。大物アイドルを多く輩出した大会ですが、そのなかで、邵雨涵は、実力はあったものの、なかなかチャンスに恵まれませんでした。「我是超級女声(私はスーパー女性ボーカリスト)」というデビュー曲は、まさにそのオーディション出場時の気持ちを歌った曲です。
彼女はレコード会社と契約し、1年間、アルバムの製作に専念していました。そして、ついに、11月、ファーストアルバム「麦兜(マイドー)」をリリースしました。
【アルバムのお勧め】
曲1:<麦兜(マイドー)>
タイトル曲の「麦兜(マイドー)」。最近、人気を呼んでいる香港のアニメで、「マクダル パイナップルパン王子」というのがあります。日本でもひそかにファンが多くて、劇場アニメ作品が日本でも公開されています。実は、子ブタのマクダルくんの中国語名が「麦兜(マイドー)」です。このタイトル曲は、この子ブタのマクダルくんについて歌った曲です。
本人の話によると、マクダルくんはいたずら好きな子ブタで、どこか自分にもかぶるところがあるそうです。そこで、この曲を作ってもらったわけです。歌詞もユニークで、マクダルくんが北京オリンピックをめざすという内容の曲です。これは北京オリンピックの応援ソングにも選ばれているので、これから耳にするチャンスがしょっちゅうあるかもしれません。
曲2:<饅頭(マントウ)>
「饅頭(マントウ)」とは、中国の主食のひとつで、小麦粉をこねて作った蒸しパンの一種です。でも、この曲は、食べ物の「饅頭(マントウ)」のことを歌った曲ではありません。ここで意味する「饅頭(マントウ)」とは、今年とても話題となった映像作品のタイトルです。中国では、最近、インターネット上で、有名な映画や有名人の言葉などを元ネタにしたパロディー作品が数多く発表されており、ちょっとしたブームになっています。そのなかのひとつに、陳凱歌(チェン・カイコー)監督の最新作「プロミス」を元ネタにした「饅頭(マントウ)」という作品がありました。邵雨涵(ショー・ユーハン)が歌っているのは、まさにこの作品のことです。「インターネットで、「饅頭(マントウ)」という作品を見て、はまっちゃったんです。それで、この作品の主題歌を作ってみてはどうかと思って、レコード会社に話を持ちかけてみました。そしたら、会社側がすぐ了承してくれて、この曲が生まれたというわけです」と本人は話しています。
パロディー作品ということなので、なかなか聞き応えがあって深い曲になっています。
曲3:<老公vs老婆(夫婦戦争)>
邵雨涵のファーストアルバムには、ユニークで個性的な曲がたくさん収録されていますが、大物ゲストとのデュエット曲まであります。
今回は、大ヒットした「老鼠?大米(ねずみがお米が大好き)」という曲でおなじみの楊臣剛という男性歌手をゲストに迎えています。この曲は日本語でもカバーされて、NHKの「みんなのうた」で紹介されていたそうですから、リスナーの方のなかにもご存知の方がいらっしゃるのではないかと思います。
タイトルは「老公vs老婆」といい、日本語に訳すと、「夫VS妻」。夫婦戦争みたいな内容の歌です。途中、2人によるせりふも入っていて、おもしろいです。
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