いよいよ冬到来・・・こういう天気のときは、温かい料理が一番です。そんなときおススメなのが、中国の家常料理(家庭料理)「東北乱トン」(特製豚角煮と各野菜の煮物)です。
材料はトマト、ナス、カボチャ、ピーマン、インゲン豆、キャベツ、ジャガイモ、そして東北地方特産のキノコ、小さな揚げ豆腐のようなものを入れることが多いようです。この一つの料理に10種類の食品を入れ、栄養的に非常に豊富です。しかも赤色のトマト、藍紫色のナス、オレンジ色のカボチャ、緑色のピーマンとインゲン豆、白色のキャベツとジャガイモ、黒色のキノコなど、毎日5ー7種の"色"の食物を摂ることができ、栄養学的にも優れているといえます。
一般的に、食物中のビタミンCは熱すると破壊されますから、煮物料理に入れるのを避けるほうがいいようです。しかし、トマトには特別な酵素が含まれており、それにより、ビタミンCが破壊される程度はだいぶ小さくなります。また、トマトには豊かなリコピンが含まれています。このリコピンは脂溶性という性質があり、加熱する時や油脂がある時に、人体により良く吸収されます。したがって、「東北乱トン」にはトマトがぴったりというわけです。
また、藍紫色のナスもいいようです。藍紫色の食物は色のあるすべての食物の中で、最も「抗酸化」効果が高いとされます。大脳の老化を遅らせ、記憶力を改善するなど、他の色の食物にはない特別な役割があります。特にトマトとナスの中にはいずれも多くのバイオフラボノイド(約700ミリグラム)が含まれ、血液中の血小板凝集の速度を緩めることができ、心臓の動脈血管と毛細血管を強くし、血圧や心臓機能を調節することもできます。また、ガン細胞の発生、拡散を抑止し、さらに白内障を予防する効果があるともいわれます。
つまり、「東北乱トン」には、トマトのリコピン、カボチャのβーカロチン、トマトとナスのバイオフラボノイド、ピーマンのビタミンCなど、いずれも抗酸化剤が含まれており、人体の免疫力と抵抗力を強めることに大きな役割があるというわけです。
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