財政部の金人慶部長は19日、2006年から農業税を全国規模で全面的に撤廃すると発表した。これにより、2600年にわたって続いてきた中国の農業税制度が姿を消すことになる。
国家税務総局の専門家によると、この撤廃措置は温家宝総理が打ち出した5年以内の農業税撤廃(04年政府活動報告)を前倒しで実現するもので、中国が都市・農村間の格差縮小や、8億人の農民の負担軽減に向けた歴史的な一歩となる。
金部長の説明によると、05年には全国で「牧業税」と「農業特産税」(タバコ除く)が全面的に撤廃されたほか、28省の全域と3省の計210県・市で農業税が撤廃され、農民8億人が実質的な恩恵を受けた。
国家税務総局の農業税徴収管理局によると、04年に232億元だった農業税収入は今年は約15億元に減少し、減少率は93%に達する見込み。同局関係者は「農業税や牧業税の減収は、多数の農民の負担が軽減されたことを意味する」と表明。05年の負担軽減額が200億元を超えるとの見通しを示した。
金部長の見込みでは、05年は「三農」(農業、農村、農民)問題解決のための中央政府支出が3千億元を超える見通しで、これは02年を50%余り上回る。各地でも同問題への支出を絶えず強化してきた。
統計によると、農業税の減免措置で、04年の農業税負担額は約280億元軽減され、負担軽減率は30%を超えた。それ以前、中国は年間約600億元の農業税を徴収していた。
<解説>
農業税の制度はこれまでの中国史上、財政収入の主な源として長く踏襲されてきた。中華人民共和国の成立直後には、農民の納めた税金が工業化を支えた。近年、工業とサービス業の急速な発展に伴い、国家財政に占める農業税の割合が徐々に縮小し、1950年の41%から04年の1%未満にまで減少した。
農業税の減免、穀物価格の上昇、穀物生産補助金制度の導入などを受け、04年には農民1人当たり純収入の伸び(実質値)が6%を超え、1997年以来で最大の伸び幅となった。
「人民網日本語版」
|