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『八大錘』はもう嫌だ (後編)

2009-01-22 10:03:08     cri    

 『八大錘』の初舞台は大好評で、皆も喜んでいながら、「もう嫌です」、譚正岩はそう思い、演じたがらない様子でした。何故なら、やはり骨が折れる演目ゆえであり、難しければ難しいほど良い評価は受けても、ミスを犯す恐れも高いからです。わずか15歳の譚正岩は、『八大錘』を演じるにつけ、不安になって精神的に疲れ、とうとう嫌いになってしまいました。

 とはいえ、先生の言うことには従わなければいけないので、おとなしい譚正岩は相変わらず下稽古を積み、上演していくうちに、演技に磨きがかかってきました。

  

 ちょうどそのころ、「武生」の新人役者コンテストが開かれ、北京劇曲学校の先生たちは譚正岩を『八大錘』の演目で参加させようとします。それを知った譚正岩は直接断ることができず、あれこれ対策を思いめぐらすしかありませんでした。

 コンテストが近づく、譚正岩はやっといい策を思いつきました。病気さえすれば、参加しない正当な理由ができると思い、直ちにこの作戦を始めました。冬の身を切るよう寒さの中、譚正岩は深夜に冷たい水で頭を濡らし、そのまま庭に立ち続けていたので、髪の毛はすっかり凍ってしまいました。また、下稽古をすますと、全身びしょ濡れになっていても拭くことはせず、風に当たって乾かしたり、夜に布団をかけないまま寝たり、薄着で出かけたりしました。できる限りのことを試したのですが、結局、元気でコンテストの日を迎えてしまったのです。ぴんぴんとした譚正岩は言い訳することができず、参加せざるを得ませんでした。ところが、翌日、ひどい熱を出してしまいました。

 コンテストの譚正岩の演技は素晴しくたいへん評判もよく、優勝は決まっていましたが、祖父の譚元寿が「この子はこんなに若くてまだ試練が必要だ。まだ優勝は早すぎる」と申し出たので、結局、準優勝になりました。(楊 横山)

『譚正岩:京劇は、私の宿命です。』

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v 『八大錘』はもう嫌だ (前編) 2008-12-23 21:56:09
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